結論から申し上げますと、製造業には、土日が休みになる職場が数多くあります。
なぜなら、企業同士で部品をやり取りする工場は、取引先の休日に合わせて自社の工場を止める傾向があるためです。例えば自動車の部品を作る工場は、完成車を組み立てる会社の営業日に合わせて機械を動かします。つまり取引先が土日に休む場合、部品を作る工場も土日に休む仕組みです。
休日の仕組みを知ることで、自分の希望に合った働き方を見つけやすくなります。本記事では、製造業の休日の実態や、無理なく働き続けるための会社の選び方について詳しくお伝えします。
目次
土日休みの製造業を探す前の基礎知識と業界の実態
求人を探す前に、製造業界全体の休日がどのように設定されているかと、法律で定められている休日の意味を正確に知ることが大切です。
厚生労働省の統計データを確認すると、日本の製造業は他の仕事と比べても1年間の休日数が多い傾向にあります。令和6年の調査では、製造業で働く人1人あたりの平均年間休日は111.4日です。年間休日が111日あるということは、1週間に約2日の休みがあり、さらに年末年始などにも休みがある計算です。多くの工場で、働く人が計画的に休める仕組みが作られています。
出典)令和6年就労条件総合調査 労働時間制度(ダウンロード) – e-Start
製造業における休日制度の種類と完全週休2日制の違い
求人票に書かれている「完全週休2日制」と「週休2日制」は、似ている言葉ですが中身は大きく異なります。働く人を守る労働基準法という法律では、会社は働く人に対して「毎週少なくとも1回の休み」を与えることが義務付けられています。
法律の基準をもとに、会社ごとに休日のルールが決められています。それぞれの違いを表にまとめました。
土日に休みたいと考える場合は、「完全週休2日制(土日)」と書かれた求人を選ぶことが一つの目安です。求人票を見る時は、上記について気をつけて確認することが必要です。
自動車部品や半導体などBtoB向けの製造分野は土日休みが多い
工場によって休みの曜日が異なる理由は、作っている製品を「誰に届けるか」という違いによります。
企業に向けて製品を作る分野(BtoB)では、土日休みが多く見られます。代表的な製品は以下の通りです。
- 自動車のドアやエンジンなどの部品
- 工場の中で使う大型の加工機械
- スマートフォンやパソコンの頭脳となる半導体
上記のような工場は、納品先である大手メーカーの営業日に合わせて機械を動かします。取引先の大手メーカーが土日休みであれば、自分の工場だけ土日に動かしても製品を受け取ってもらえません。そのため、工場全体を一斉に土日休みにするケースが多く見られます。
食品や日用品など24時間稼働が必要な工場はシフト制が多い
一方で、一般の消費者に向けて製品を作る分野(BtoC)では、土日休みではなく交替制(シフト制)を採用する工場が多くなります。
- パンやお弁当などの食品や飲料
- トイレットペーパーや洗剤などの日用品
生活に欠かせない品物は、曜日に関係なく毎日お店で買えます。需要に応えるため、工場を24時間体制で動かし続ける傾向があります。機械を止めないよう、働く時間を日中や夜間などに分け、順番に出勤する仕組みです。休日は「4日働いて2日休む」といった独自の予定表に従うため、土日が休みになるとは限りません。
土日休みの製造業で働くメリットと事前に確認すべき注意点
土日休みが固定されている職場には、生活の予定を立てやすいという利点があります。その一方で、製造業ならではの特別な休日のルールもあるため、事前の確認が必要です。
週末の予定が立てやすくワークライフバランスを保ちやすい
土日が休みであることの大きな利点は、家族や友人など周りの人と予定を合わせやすい点です。
また、製造業は有給休暇(給料をもらいながら休める日)を取得しやすい環境が整っている傾向があります。厚生労働省の調査(令和6年)によると、製造業の有給休暇取得率は72.8%と、全産業の平均を上回っています。
製造現場では、数ヶ月先までの作業日程が細かく組まれており、誰かが休んでも作業が止まらないよう人員配置が工夫されています。土日の休みに加えて有給休暇を計画的に取りやすく、私生活の時間を大切にできる働き方のひとつです。
企業カレンダーによって祝日が出勤日となるケースに注意する
注意点として、「土日休み」であっても「祝日」が休みになるとは限らない点が挙げられます。
多くの工場では、独自の「企業カレンダー」があります。工場内の機械は、一度電源を切って冷ましてから、再び熱を加えて動かすまでに多くの時間と電気代がかかります。週の半ばにある祝日ごとに機械を止めると、効率が悪くなってしまいます。
そこで、多くの工場では祝日を機械を止めない「出勤日」とします。その代わり、祝日に出勤した分の休みをゴールデンウィークやお盆、年末年始などに集めて「大型連休」にする仕組みがあります。「祝日もカレンダー通りに休みたい」と考えている方は、入社前に企業の年間休日予定表を確認することが大切です。
土日休みを実現しやすく長く働ける製造業の職種
製造業で土日休みの働き方を長く続けるためには、担当する仕事内容(職種)選びも重要な要素です。今後のものづくりを支える、代表的な職種を紹介します。
工場内の高度な機械設備を維持・管理する保全エンジニア
現在の工場では、働く人の不足を補うために、ロボットやコンピューターを使った機械の導入が進んでいます。機械が自動で製品を作るようになるほど、機械が故障しないように点検し、故障した場合は修理する「保全エンジニア」の役割が大きくなります。
保全エンジニアの主な仕事は以下の通りです。
- 機械の定期的な点検や古くなった部品の交換
- 機械から出る異常な音や振動の確認
- 動かなくなった際の配線修理や原因調査
人間の手で機械を直す作業は、機械化が進む工場において長く求められる専門性の高い仕事です。
なお、保全エンジニアの休日は配属先企業の勤務形態(シフト)に準ずるため、勤務先によって土日休みの場合もあれば、交替制(シフト制)の場合もあります。そのため、すべての職場が土日休みとは限らないため、ご自身の希望に合わせた働き方を選ぶことが大切です。
当社では、このようにさまざまな業界で活躍できるエンジニアを『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。未経験からでも段階的に技術を学ぶ仕組みを整えており、これを当社では『実務×スクール育成制度』と呼んでいます。
当社では「AOCテクニカルセンター(ATC)」を石川、福井、富山、愛知の4拠点に設置しています。ここでは、実際の現場と同じ設備である実機(実際の機械)を用いて、電気の配線や、半導体製造に欠かせない真空装置の部品交換などを学ぶことができます。
製品の品質を一定に保つための工程管理や検査関連の業務
保全エンジニアに加えて、工場全体の流れを見守る業務(工程管理や品質検査)も長期的に働きやすい職種のひとつです。
工程管理や品質検査の主な役割は以下の通りです。
- 製品が設計図通りの大きさや形になっているかの確認
- 製造の手順が安全かつ正確に進んでいるかの見回り
- 不良品が出た場合、原因を調べて保全担当者に伝える
自分の手で製品を組み立てるだけでなく、工場全体を広く見る視点を持てるため、着実に経験を積むことができる仕事です。
土日休みの製造業求人で失敗しないための選び方
求人を選ぶ際は、目先の給与だけでなく、働き始めてからどのように成長できるかという教育体制や、雇用形態を確認することが大切です。
長期的なキャリア形成を支える実践的な研修制度があるか
専門的な知識や技術を身につけるには、入社後の教育体制が整っている企業を選ぶことがポイントです。数日間の座学だけでなく、実際の機械に触れて学べる期間が長く設けられているかを確認します。
当社の「実務×スクール育成制度」では、約1.5ヶ月の時間をかけ、図面の読み方から工具の正しい使い方までを段階的に学びます。研修期間中も労働基準法に基づく給与が支給されるため、生活を維持しながら学習に専念できる環境が整っています。
さらに当社は、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの生活家電が完備された個室寮(1R・1K)を多数完備しており、敷金・礼金も不要なため、遠方からでも経済的な負担を抑えて新生活とエンジニアキャリアをスタートできる環境が整っています。
雇用の安定を方針として掲げているか
雇用の安定を方針として掲げている会社であるかどうかは、働く場所を選ぶ上で大切な要素です。正社員としての雇用を行っている企業では、ひとつの就業先での業務が終了しても雇用関係が継続するため、安心して働くことができる環境が整えられています。
当社では、このような雇用の安定を方針として掲げています。これは、当社の正社員として入社し、実機(実際の機械)を使っての研修を経て技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方です。就業先での業務が終了した場合でも当社との雇用関係は継続するため、働き手が安心して技術を身につけるために当社が提示する選択肢として、このような環境を整えています。
土日休みの製造業に関するよくある質問
最後に、働き方や労働条件に関するよくある疑問について、具体的な事実をもとにお答えします。
Q夜勤がある交替制勤務でも土日はしっかりと休めるのか?
企業ごとのカレンダーによりますが、夜勤があっても土日が休みになる働き方は存在します。
「土日休みの交替制」の場合、1週間ごとに日勤と夜勤が入れ替わりますが、働く曜日は月曜日から金曜日に固定されています。一方、曜日に関係なく「4日働いて2日休む」といったシフト制の場合は、土日が休みになるとは限りません。求人票の「休日」の欄を確認することで、働き方を見分けることができます。
Q文系や未経験からでも保全エンジニアに転職できるのか?
文系出身者や未経験の方でも、研修などを通じて技術を学び、保全エンジニアとして製造業へ就業することは十分に可能です。
製造現場では、決められた手順を守る実直さや、周囲と情報を共有するコミュニケーション能力も大切な要素です。これまでの経験を活かしながら、専門的な技術を後から身につけていくことで、現場の力となる人材へ成長することが期待できます。
Qトラブル対応などで休日出勤が発生した場合の扱いは?
機械の故障などで休日に出勤した場合、労働基準法に基づいて割増賃金が支払われるか、別の日に休みを振り替える仕組みがあります。
- 法定休日:法律で定められた週1回の休み。ここで働いた場合は、通常の賃金より35%以上の割増賃金が支払われます。
- 所定休日:会社が定めた休み(土日休みの場合はどちらか1日)。ここで働き、週の労働時間が40時間を超えた場合は、25%以上の割増賃金が支払われます。
また、事前に休みを別の労働日と入れ替える「振替休日」や、事後的に別の休みをとる「代休」といった制度も法律で厳格に定められています。
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