工場で派遣社員として働く中で、将来の雇用の安定に不安を感じる方は少なくありません。派遣契約が終了する原因は、企業の業績悪化や生産調整など様々です。不安を軽減し、長く安定して働くためには、期間の定めのない雇用契約への切り替えや、専門的な技術の習得が有効な方法です。
本記事では、契約が終了する仕組みと原因を客観的な事実に基づいて解説し、雇用の安定を目指すための具体的な対策を紹介します。
※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。
目次
工場での「派遣切り」とは業績悪化等による契約の中途解除や雇い止め
派遣切りという言葉は、派遣先企業の業績悪化や生産調整を理由として、派遣労働者と派遣会社との労働契約が期間の途中で解除されること、または契約満了時に更新されずに終了する雇い止めを指す言葉の総称です。
厚生労働省の資料においても、経済状況の悪化や業務量の変動により、派遣労働者が雇い止めを提示される事例が記録されています。法律上、有期労働契約の期間途中の解除は厳格に制限されています。労働契約法第17条第1項により、やむを得ない事由がない限り、期間満了前に労働者を解雇することはできません。
登録型派遣の有期雇用契約の仕組みと更新されないリスク
登録型派遣における雇用契約は、原則としてあらかじめ期間が定められた有期労働契約です。就業先である派遣先が決定すると、働く期間のみ派遣会社との間に雇用契約が結ばれます。3ヶ月や6ヶ月といった期間が設定され、満了時に契約を更新するかどうかの判断が行われます。
契約更新の判断基準には、業務量、労働者の勤務成績、会社の経営状況などが含まれます。厚生労働省の基準に基づき、契約が3回以上更新されている場合や、通算1年を超える場合などは、更新しない旨を30日前までに予告する義務があります。
該当する条件は以下の表の通りです。
出典)有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準について|厚生労働省
ルールに従った適切な手続きを経た上であれば、派遣先企業の状況によって契約が更新されないリスクがあります。
反復的な作業や代替されやすい業務は人員整理の対象になりやすい傾向
製造現場では機械化や自動化設備の導入が進んでいます。そのため、専門的な技能を要しない反復的な作業は、機械へと置き換えられやすい傾向があります。経済産業省の「ものづくり白書」などでも、人手不足への対応として自動化が進展している事実が示されています。
結果として、代替しやすい業務を担う人員は、需要変動時の人員整理の対象になりやすい面があります。反対に、高度な自動化設備を維持し、管理する専門技術者の需要は高まっています。専門的な技術の有無が、雇用の安定性に直結する傾向があります。
派遣切りの不安を解消し雇用の安定を目指すための3つの対策
雇用の不安定さを軽減するためには、働き方の枠組みを変更することと、個人の価値を高めることの2つのアプローチが考えられます。ここでは、長期的に安定して働くための具体的な対策として、当社の取り組みを紹介します。
AOCの正社員としての雇用の安定と地域に根差した安心感
雇用の安定を重視する場合、最初から雇用が継続される企業に属することが有効です。
雇用の安定を図る方法として、当社では、正社員として入社し、実機(実際の機械)を使っての研修を経て技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方があります。当社は正社員としての雇用の安定を方針として掲げており、不況時等においても安定した環境で働くことができます。
- 派遣期間のみの雇用契約
- 契約終了で収入が途絶えるリスク
- 待機中の保障がない場合が多い
- 期間の定めのない雇用契約
- 派遣先終了後も雇用継続
- 待機中も休業手当等の対象
AIに代替されにくい設備保全などの専門的な技術を習得する
働き方の枠組みを変更することに加えて、機械化が進む中で代わりのきかない専門的なスキルを習得することが重要です。工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。保全業務には、故障を防ぐために計画的に部品交換や清掃を行う「予防保全」と、故障時に原因を特定して修理・復旧対応を行う「事後保全」があります。デスクワークの一部はソフトウェアによって自動化される傾向がありますが、実際の機械や電子機器の構造を理解し、工具を用いて部品を交換する点検や修理は人の手で行われます。機械は自律的に故障を修復できないため、必ず人間の手によるメンテナンスを必要とします。
当社ではこれを独自の定義として「省人化投資のパラドックス」と呼んで紹介しています。実際に機械を修理・調整する技術を身につけることは、将来にわたって活かせるスキルを身につけることにつながります。
半導体や製薬など需要の高い成長産業へキャリアチェンジする
特定の産業に依存せず、需要が高く活発に投資が行われている産業へキャリアチェンジすることも一つの対策です。
例えば、半導体産業はデジタル社会を支える分野として大規模な設備投資が行われており、真空装置などの特殊設備をメンテナンスする技術者が求められています。また、医薬品製造分野においても、厳密な品質管理や分析装置の取り扱いができる人材の需要が高い傾向があります。自動車部品産業や電子部品産業においても、自動化設備の稼働を支えるエンジニアの不足が課題となっています。
高度な専門技術を習得することは、成長産業へのキャリアチェンジの選択肢となります。
工場の派遣切り不安をなくす専門スキルを働きながら身につける方法
専門的な技術を習得するためには、時間や費用の負担が課題となる場合があります。働きながら給与を得て学ぶ制度や研修施設を活用することで、これらの負担を抑えながらスキルを身につけることが可能です。
働きながら給与を得て学ぶ「実務×スクール育成制度」の活用
一般的なプログラミングスクールなどでは、お金を払って学ぶ形式が主流です。
一方、当社には、正社員として入社し、実機(実際の機械)を使っての研修を経て技術を習得し、給与を受け取りながら長く活躍できるキャリアを目指せるという仕組みがあります。これを当社では独自の名称として「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。当社の制度では、約1.5ヶ月の研修期間中も給与が支給されます。未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。
実際の現場と同じ「実機」を使った研修で専門的な技術を磨く
技術を実務で活かすためには、座学に加えて実機(実際の機械)を用いた実践的な訓練が有効です。当社の「AOCテクニカルセンター(ATC)」は、石川、福井、富山、愛知の4拠点に専門の研修施設を保有しています。研修は保全エンジニアを対象としており、実機を使用したカリキュラムを用意しています。
具体的には、自動化設備の電気的な制御を理解する「有接点シーケンス制御」、半導体製造で用いられる「真空装置の取り扱い」、精密測定器を用いた「機械調整」の3つの専門技術を中心に学習します。安全教育とともに、図面の読み方や工具の正しい使い方を反復学習します。

さまざまな業界で活躍できる「クロスオーバーエンジニア」を目指す
特定のメーカーや一つの業種に限定されない代わりのきかない専門的なスキルを身につけることは、雇用の安定につながります。さまざまな業界で活躍できるエンジニアを、当社では「クロスオーバーエンジニア」と呼んでいます。ATCで習得する有接点シーケンス制御や工具の取り扱いといった専門技術は、半導体、自動車部品、製薬など様々な産業の自動化設備で共通して求められます。複数の産業分野で活用できる技術を持つことは、環境変化に対する防御策の一つとなります。
当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリアの道筋については、以下のページにてご確認いただけます。
派遣切りの不安を回避するキャリアチェンジに関するよくある質問
工場派遣に関する働き方や将来の不安について、よくある疑問と客観的な事実に基づいた回答を紹介します。
未経験や文系出身でも専門的なエンジニアを目指すことは可能か
保全エンジニアも専門性が求められる職種ですが、理系出身者でなければ就けない職種ではありません。当社では意欲のある方を歓迎し、専門的なエンジニアへのキャリア形成の選択肢となることを目指しています。過去に製造業務の経験がある方は、その経験をベースにして段階的に保全技術を学ぶことで、技術習得に役立てることができます。また、営業や接客業などで身につけた対人スキルは、現場で円滑なコミュニケーションをとる上で強みになる前向きな要素です。
研修中や待機中も給与は支払われるか
当社のAOCテクニカルセンター(ATC)での研修期間中においても、労働契約に基づき給与が支払われます。地方エリアで就業する場合、同じ収入でも首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、自由に使えるお金が多くなります。また、当社の紹介する案件の中には生活家電付きの完全個室寮(1R・1K)が完備され、敷金・礼金不要で新生活を始められる案件もあります。

