工場のエンジニアとは?未経験から専門技術を身につけるキャリアの選択肢

工場のエンジニアの中でも、未経験からでも専門技術を身につけ、長く活躍できる仕事の一つとして「保全エンジニア」という職種があります。製造現場において機械の点検や修理を行う仕事で、人材が常に必要とされています。

機械の部品を交換したり、正常に動くように調整したりする仕事は、あらゆる工場で欠かせません。この記事では、工場で働く保全エンジニアの具体的な仕事内容や、未経験から技術を学ぶ方法についてご紹介します。

※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。

工場の保全エンジニアという仕事は生産現場を支える重要な役割

日本国内の製造業においては、働く人が減っているため、人材を確保することが企業にとって大きな課題となっています。経済産業省などの調査や、厚生労働省の統計データを見ると、製造業において人材が強く求められていることがわかります。

項目
データの内容
人手不足を感じている製造業の事業所の割合
69.8%
全産業の有効求人倍率
1.2倍程度
製造業の有効求人倍率
約2.16倍

ロボットを導入して工場の省人化を進めるほど、逆にロボットを管理する技術者が多く必要になるという事実について、当社では独自の定義として「省人化投資のパラドックス」と呼んでいます。

自動化が進む現代の製造現場であっても、物理的に動く機械のメンテナンスや部品の交換、修理といった作業は、引き続き人間による直接的な対応が必要です。

さまざま業界で活躍できるエンジニアを、当社では「クロスオーバーエンジニア」と呼んでいます。特定の業界に限らず、工場の機械や設備を支えるこの職種は、機械やAIに代わられることが少なく、将来にわたって長く活躍できる仕事です。

工場の保全エンジニアの主な業務は予防保全と事後保全

工場における設備の保全活動は、実施するタイミングと目的によって、大きく「予防保全」と「事後保全」の2つに分かれます。

設備のトラブルを未然に防ぐ活動が「予防保全」です。実際の工場現場では、機械の日常的な点検や定期点検、清掃や動く部分への油差し、基準に応じた消耗部品の交換作業が含まれます。

これらの予防保全を計画的に行うことで、予期せぬ機械の停止を防ぎ、工場がスムーズに動き続けるようにします。

実際にトラブルが発生した際に対応する活動が「事後保全」です。機械が故障によって本来の役割を果たせなくなった後に、修理、部品の交換、機械の動作調整などを行い、正常な状態へと直します。

事後保全においては、トラブルが発生してからいかに早く機械を直し、生産への影響を少なくするかが大切です。

また、関連する保全の方法として、センサーなどを使って機械の状態を見守り、異常の兆候を察知して活動を行う「予知保全」もあります。業務の種類と目的を以下の表にまとめます。

保全の種類
具体的な業務例
目的
予防保全
日常点検、定期点検、消耗部品の計画的な交換、清掃、油差し
トラブルを未然に防ぐ、機械の劣化を遅らせる、安定した生産を保つ
事後保全
壊れた部品の交換、機械の修理作業、エラーが出たときの調整
機械の機能を回復する、正常な生産状態へ早く戻す
予知保全
振動データの分析、温度の確認に基づく異常の発見と部品交換
故障の兆しを早く見つける、予定外に機械が止まるのを防ぐ

工場の保全エンジニアとして働くことで雇用の安定と技術習得が期待できる

工場の保全エンジニアは、製造オペレーターなどの経験を活かして、少しずつ専門技術を学んでいける職種です。特定の機械を整備したり修理したりする技術を身につけることで、電子部品、半導体、自動車部品、薬の製造、食品のパッケージ印刷など、幅広い業界で活躍できる道が開かれます。

当社では、正社員として入社し、現場と同じ実機(実際の機械)を使った研修を経て技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方を方針として掲げています。

働きながら技術を磨くことで、景気の変動に左右されにくい、安定したキャリアを目指すことができます。

また、地方での就業は、生活環境の面でも利点があります。総務省統計局が発表している消費者物価地域差指数(2023年)のデータに基づき、東京都といくつかの県を比較しました。

地域
消費者物価地域差指数
東京都
104.5
富山県
98.8
福井県
99.1
石川県
99.4

このように、地方では首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、生活にゆとりが生まれます。中には、生活に必要な家電がそろった個室の寮が完備されており、初期費用を抑えて新しい生活を始められる場合もあります。

工場の保全エンジニアの仕事で最初は戸惑いやすい点と段階的なアプローチ

未経験から保全エンジニアの業務をスタートする際、電気の図面を読むことや、普段見ない機械の扱いに最初は戸惑うこともあります。

しかし、意欲があれば適切な環境で一歩一歩着実に技術を身につけていくことが可能です。

当社の研修施設「ATC」において、未経験から研修を受講した方からは、以下のような声が寄せられています。

研修で学んだ内容
現場で役立ったこと
電気の図面や専門用語
現場ですぐに知識を活かすことができた
ネジの締め方や工具の使い方
基礎を経験していたため、すぐに仕事に慣れた
現場のルールや安全教育
安全に関する知識が身につき、安心して働けている
半導体製造の専門作業
専門的な作業にも違和感なく取り組むことができた

当社は意欲のある方を歓迎し、実際の仕事に近い環境で学ぶことで、現場での不安を減らすサポートを行っています。

専門技術を働きながら学ぶ「実務×スクール育成制度」という選択肢

専門技術を習得するための手段として、一般的なプログラミングスクールなどを利用する場合、自分で受講料を支払う必要があります。学校によっては、まとまった費用がかかる場合もあります。

一方で、会社に雇用されて給与を受け取りながら学べる仕組みは、学習期間中の金銭的な負担を抑えられます。これを当社では「実務×スクール育成制度」と呼んでいます

工場エンジニアの育成においては、教室で学ぶだけでなく、現場と同じ装置を使った実践的な訓練が大切です。

当社が運営するATCは、石川、福井、富山、愛知の4拠点で地域の産業に合わせて内容を工夫した研修を行っています。

ATCでは、1.5ヶ月の長期研修を通じてマンツーマン指導を実施しています。機械を自動で動かす仕組みである有接点シーケンス制御、真空装置の取り扱い、機械の調整といった3つの専門技術を中心に、現場で活躍できる人材の育成を目指す体制を整えています。研修プログラムの主な内容は以下の通りです。

研修の段階
習得する主な専門技術と内容
ヒューマンスキル・安全衛生
挨拶、安全確認の基本、電気作業や薬品の安全教育、危険の予測トレーニング
電気基礎
電気記号の理解、回路図の作図、テスターの使い方、配線と半田付け作業、モーターの制御
半導体装置の定期メンテナンス
設備保全の基礎、ノギスやトルクレンチなどの正しい使い方、真空引き作業、部品の交換
機械の訓練装置
部品図や空気圧回路図の作図、精密な測定器の使い方、機械の分解・組み立て・調整
未経験からプロのエンジニアを目指す方へ
当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリアの道筋については、以下のページにてご確認いただけます。

クロスオーバーエンジニア専用ページを見る

工場の保全エンジニア仕事に関するよくある質問

文系や未経験からでも工場の保全エンジニアを目指せますか?

当社では、意欲のある方を歓迎しています。製造の現場においては、機械に関する知識や技術だけでなく、安全確認や他工程との連携も重要な業務の一部です。

そのため、営業や接客業で身につけた人と接する力も現場で活かせます。それぞれの経験を活かしながら少しずつ保全の技術を学ぶことが可能です。当社では文系出身者や未経験の方も意欲があれば歓迎し、着実な育成を行っている実績があります。

研修期間中も給与は支払われますか?

働く環境が整っている企業であれば、研修中も給与が支払われます。厚生労働省の資料によれば、会社からの指示で動いている時間は労働時間にあたるとされています。

当社が運営するATCでの1.5ヶ月の長期研修中も、スタッフへ給与が支給される仕組みです。

夜勤や深夜勤務における深夜手当の支給はどうなっていますか?

22時から翌5時までの勤務に対しては、法令通り25%以上の割増賃金が支払われます。労働基準法では、午後10時から翌日午前5時までの時間帯を深夜と定めており、この時間帯に労働させた場合、通常の賃金に対して25%以上の割増賃金を上乗せして支払うことが義務付けられています。

決められた労働時間を超える残業や、休日労働と深夜労働が重なった場合には、以下のように計算されます。

割増賃金の種類
対象となる労働条件の定義
法令で定める割増率の最低限度
時間外労働
決められた労働時間を超えた部分の労働
25%以上
休日労働
法定休日に労働させた時間
35%以上
深夜労働
午後10時から翌日午前5時までの間に労働させた部分
25%以上
時間外労働+深夜労働
時間外労働が深夜の時間帯に行われた場合
50%以上(25%+25%)
休日労働+深夜労働
休日労働が深夜の時間帯に行われた場合
60%以上(35%+25%)
※適切な手当が加算される仕組みが法令により定められています。