本記事では、デスクワークが心身にもたらす影響を厚生労働省などの公的データに基づいて分かりやすく解説するとともに、現状に限界を感じた際の中長期的なキャリアチェンジ戦略として、「体を動かす仕事(実践的な技術職)」という選択肢への方法をお伝えします。
※本記事に記載されている労働関係法令や割増賃金、各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。当社のエンジニア派遣求人の多くは無期雇用派遣ですが、そうではない場合もあります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。
目次
デスクワークが苦痛に感じる根本的な原因とは
デスクワークで感じる苦痛は、個人の気分や忍耐力の問題だけではなく、労働環境が大きく影響を与えているとして、公的機関からも注意喚起が行われています。長時間のパソコン作業による影響は、大きく「身体的な疲労」と「精神的なストレス」の二つの側面に分けることができ、それぞれが重なって作業者の負担として溜まっていきます。
長時間の情報機器作業による身体的疲労と健康への影響
厚生労働省は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの情報機器を使って作業を行う方の健康を守るため、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を定めています。このガイドラインは、近年、職場での情報機器作業が大きく変化したことや、精神的な疲労、身体的な疲労などを感じている作業者が多くなっているなどの課題に対応するために設けられたものです。会社が作業環境の管理、作業の管理、作業者の健康管理などを適切に行い、働く方を支援していくことが重要であるという基本的な考え方が示されています。
同ガイドラインでは、作業時間の長さや拘束される時間に応じて作業区分が設定されており、長時間の連続作業が心身に大きな負担をかけることが示されています。情報機器作業が過度に長時間にならないように指導することや、1回の連続作業時間の中で1〜2回程度の小休憩を挟むことが勧められています。
実際の調査結果でも、情報機器作業がもたらす身体的な症状が確認されています。情報機器作業を行う方を対象とした実態調査では、身体的な不調として高い割合を占める「目の疲れや痛み」を訴える方が58.9%おり、「肩・首の痛み」を訴える方が32.8%、「その他の部分の痛み」が10.4%となっています。さらに、「運動不足・体力低下・体重増加」を自覚している方が38.8%おり、身体を動かさないこと自体が健康面に影響を与えている実態が明らかになっています。
目の疲れの原因として、作業環境が合っていないこと(16.4%)の指摘もあります。JISの照明基準では、一般的な事務作業の明るさは300ルクス以上とされていますが、時間帯によって室内の明るさが変わる場合など、慣れや疲れなどによって最適な明るさが変化する環境では、1日に何回でも必要に応じて調整することが望ましいです。こうした細かな調整が必要な環境は、働く方にとって疲労を溜めさせる原因の一つです。
出典)情報機器作業における…ガイドラインについて – 厚生労働省
出典)情報機器作業における…ガイドライン(リーフレット) – 厚生労働省
成果の不可視性と精神的ストレスの蓄積
デスクワークのもう一つの課題は、成果が目に見える形として表れにくく、日々の「モノづくり」の手応えを得にくい可能性があることです。仕事の結果が目に見えにくいため、業務の全体像を把握しづらくなることがあり、これがストレスへと繋がることがあります。
厚生労働省が公表した令和6年の「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事において強いストレスを感じる主な要因として、「仕事の量(43.2%)」に次いで「仕事の失敗、責任の発生等(36.2%)」や「仕事の質(26.4%)」といった事柄が上位に挙げられています。デスクワークのように「進捗や成果が物理的に見えにくい」環境では、自身の仕事が期待に応えられているかといった「仕事の質」や、不明確になりやすい「責任の範囲」に対する不安が生じやすく、精神的な負荷を蓄積させやすい一因になっている可能性があります。
同調査におけるメンタルヘルス対策に関する状況をみると、過去1年間にメンタルヘルス(心の健康)の不調により連続1か月以上休業した方、または退職した方がいた会社の割合は12.8%です。
また、長時間労働と精神的な疲労の関連も指摘されています。メンタルヘルス対策に取り組んでいる会社の割合は全体で63.2%に上りますが、今もなお多くの方が仕事に関連するストレスに直面しているという事実は、作業環境や業務管理における精神的負荷への配慮の重要性を示しています。
出典)令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 – 厚生労働省
デスクワークに向いていない人の特徴と転職を考えるべきサイン
労働環境には向き不向きがあります。デスクワークへの苦痛を「環境と適性のズレ」として冷静に見つめ直し、ご自身のキャリアを考え直すことが大切です。
「じっとしているのが苦手」で動きのある仕事を求める傾向
デスクワークに向いていない人の特徴として、「じっとしているのが苦手」「体を動かしながら働きたい」という活動的な志向があります。前述の通り、情報機器を使って作業を行う方の約4割(38.8%)が「運動不足・体力低下・体重増加」を課題として挙げており、体を動かして活力を発散する傾向のある方にとって、長時間画面の前に固定される環境は負担として重くのしかかります。
当社では、応募者が過去の困難にどう対処したかや、どのような姿勢で業務に取り組むのかを重視しています。自ら現場に足を運び、現場の変化に臨機応変に対応することにやりがいを感じる方は、体を動かす専門職において活躍が見込まれます。具体的な目的意識を持ち、現場での作業を含めて技術習得に対する意欲が高い方は、実践的な技術職への適性が高いと考えられます。
環境を変える(転職する)サイン
日々の業務においてやりがいを感じられず、肩こりや目の疲れなどの身体的な症状が続いている場合は、「環境を変える(転職する)サイン」として捉えることもできます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査結果によると、仕事上のストレス原因として割合が大きく上昇したのは「顧客や取引先からのクレーム」です。
このように、顧客や取引先とのオンライン上でのやり取りや人間関係のすれ違いが主なストレスの原因になっている人は、環境を変える(転職する)サインが出ています。デスクワークから離れ、現場に出て体を動かす職種への転職は、環境を良くするための現実的な方法の一つです。仕事や生活において強いストレスを抱える方が約7割(68.3%)に達する現状を踏まえると、身体的・精神的な負担が限界に達して心身に大きな影響が出る前に、早めに行動を起こすことが、長く健康に働き続けるための良い方法です。
出典)仕事上のストレスで、割合が最も…- 労働政策研究・研修機構
デスクワークからの転職におすすめの異業種・職種
デスクワークからの転職を考える際、主に「人と関わるスキルを活かす職種」と「目に見える成果を生み出す専門職」の二つの選択肢が考えられます。
人と関わるスキルを活かせる「営業・販売・サービス職」
もし直接対面での顧客や取引先とのコミュニケーションをストレスに感じない人の場合、一つ目の選択肢は、営業や販売、サービス業です。顧客や取引先と直接向き合って、その場で話をすることができるため、現場での人間関係づくりが業務の中心となります。現場での細やかなコミュニケーションが生産効率を左右します。顧客対応には専門的な対人スキルが求められ、自分の提案が相手の課題解決に繋がる過程を実感することができ、体を動かしながら人と接することに喜びを感じられる方に適しています。
実際の成果が目に見える「設備のメンテナンス」「保全」という実践的な技術職
二つ目の選択肢であり、中長期的なキャリア形成の観点から有力な方法となるのが、機械に触れ、実際の成果が目に見える「設備のメンテナンス」「保全」という実践的な技術職(保全エンジニア)です。
工場の自動化が進みロボットが増えるほど、そのロボットをメンテナンスする保全エンジニアの需要も増えていきます。機械は自律的に故障を修復できないため、必ず人間の手によるメンテナンスを必要とします。設備の不具合を防ぐ「点検(予防保全)」と、トラブル発生時に機器を復旧させる「修理(事後保全)」という業務があり、これらを担う方の需要は高まっています。
さまざまな業界で活躍できるエンジニアを、当社では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。半導体、自動車、製薬、繊維など、さまざまな産業の現場で機械のメンテナンスを担当するため、自らの手で設備を復旧させた際の達成感を得やすい仕事です。
地方における製造業の状況も、この職種の需要を裏付けています。厚生労働省が発表する一般職業紹介状況(有効求人倍率)のデータを参照すると、製造業が盛んな地域の求人状況が確認できます。
出典)一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について – 厚生労働省
石川県および北陸地方は、今まさに半導体産業の再興とも呼べる活況であり、設備保全を担う技術者の求人が期待できます。当社は、石川県(金沢市、小松市、能美市、白山市)、富山県、福井県、愛知県(豊田市周辺)といった地域に根ざしたキャリア形成を支援しており、成長産業へのキャリアチェンジを目指す方にとっての選択肢を提供しています。
未経験から「体を動かす専門職」へ転職するための成功戦略
未経験から実践的な技術職へ転職するためには、業界の仕組みと求められる技術に基づいた方法が役立ちます。
さまざまな業界で活かせる「専門的な技術」の習得
安定した雇用を目指すには、特定の機械だけに頼らないスキルが役立ちます。そのため、さまざまな現場で共通して求められる「専門的な技術」を身につけることが大切です。
保全の仕事として求められる代表的な技術には、以下の3つがあります。
工場設備の自動制御の基礎となる技術であり、機械を動かす回路を実際の配線などで組み立て・修理するスキル。
半導体製造の現場などで使用される、チリやホコリのない空間を保つための特殊な設備の運用・メンテナンス技術。
センサーの感度調整やシリンダーの速度調整など、機械が正確に動くよう細かな調整を行う技術。
これらの技術は、現場に出るエンジニアだからこそ担える重要な役割です。厚生労働省が定めるガイドラインにおいても、機械保全などの専門技術に関する評価項目が整備されており、産業界からの需要が公的に示されています。
実務と研修が一体化した制度を持つ企業を選ぶメリット
未経験から専門的な技術を習得する際、有料のスクールを利用すると初期費用が発生します。雇用保険を受給できない方を対象とした国の「求職者支援制度」では、無料の職業訓練と就職支援が受けられます。さらに「本人収入が8万円以下」「世帯の金融資産が300万円以下」などの要件を満たせば、職業訓練受講給付金の支給も受けられますが、条件を満たす必要があります。
そこで、未経験から技術を習得するための方法として、実務と研修が一体化した育成制度を持つ企業を選ぶメリットがあります。
これは当社で『実務×スクール育成制度』と呼んでいる独自の制度です。この制度の特徴は、有料のスクールのように「お金を払って学ぶ」のではなく、「お金をもらいながら(雇用されながら)学べる」という点にあります。給与を受け取りながら研修に専念できるため、経済的な負担を抑えて技術の習得に取り組むことが可能です。
さらに、地方での就業を検討する方に向けて、生活家電付きの完全個室寮(1R・1K)が完備されており、敷金・礼金不要で経済的な負担を抑えて新生活が始められる求人もあります。同じ収入でも首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、自由に使えるお金が多くなるという特徴があります。
当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリア形成の方法については、以下のページにて確認することができます。
体を動かす専門職へキャリアチェンジ!
デスクワークからの転職に関するよくある質問
異業種・未経験への転職に際して、公的な統計データや労働関係法令に基づき、よくある疑問に対して客観的にお答えします。
Q.未経験から異業種へ転職すると収入は下がりますか?
転職に伴う収入の変動については、厚生労働省のデータが参考になります。「令和6年 雇用動向調査」における「転職入職者の給与変動状況」によると、前職の給与に比べて「増加」した割合は40.5%、「減少」した割合は29.4%です。
未経験の異業種へ転職する場合、一時的に「減少」または「変わらない」水準からのスタートとなるケースもありますが、専門技術の習得によって、中長期的な昇給に繋がると考えられます。
Q.全くの未経験からでもエンジニアになれるのでしょうか?
意欲のある方を歓迎し、適切な研修環境のもとで技術を学び、現場で活躍できる人材へと成長できます。
株式会社エー・オー・シーの「AOCテクニカルセンター(ATC)」は、石川、福井、富山の3拠点に設置されており、実際の機械を使用した研修を行っています。※現在、愛知エリアにも研修施設の増設を予定しています。
座学にとどまらず、実際の製造現場で使われている真空装置や有接点シーケンス制御機器などを直接操作することで、技術を身につけられる環境が整っています。経験豊富な講師が一人ひとりに合わせてサポートし、現場で活躍できる人材を育てているため、未経験からでも順番に技術を身につけられます。
Q.派遣という働き方に不安があるのですが…
しかし、正社員(無期雇用)契約を結んで働く「常用型派遣」の場合は、この期間制限の対象外です 。当社はこちらの雇用形態です。

