IT業務やデスクワークにおいて、「一日中パソコンに向かっていて疲れた」と感じる場合、その疲れを和らげるためには、日々のこまめな対策と、働き方そのものの見直しが有効です。
長い時間モニターを見つめたり同じ姿勢を続けたりすることは、目の疲れや肩こりといった体への負担だけでなく、画面内での作業による心への疲弊も引き起こすことが考えられるからです。
例えば、1時間に1回は画面から目を離して遠くを見たり、デスクで簡単なストレッチを行ったりすることで、その場の疲労を軽減できます。また、慢性的な疲れが解消されない場合は、各種休暇制度を活用してデジタル機器から離れたり、パソコン作業に縛られずに実機に触れて体を動かすエンジニア職へのキャリア転換を検討することも一つの選択肢となります。
本記事では、パソコン作業による疲れが溜まる原因を整理したうえで、今すぐ実践できる具体的な疲労解消法と、長期的な視点での働き方の見直しについてお伝えします。
目次
ずっとパソコンに向かうIT業務で疲れが溜まる主な原因
現代のIT業務やデスクワークは、高度な情報処理能力が求められる一方で、体や心に負担がかかりやすい環境にあります。かつては「VDT(Visual Display Terminals)作業」と呼ばれていましたが、近年の労働形態の多様化とICT(情報通信技術)の進展に伴い、厚生労働省はこの領域を新たに「情報機器作業」と再定義しました。
この背景には、パソコンなどの機器が体や心に与える負担が、かつての事務作業に比べて、いろいろな原因が絡み合い比較にならないほど複雑になっていると考えられます。
出典)情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて
モニターの長時間注視による眼精疲労と視力低下
パソコンやスマートフォンを使う仕事で、はじめに現れやすい不調が「目の疲れ(眼精疲労)」です。本を読んだり書類を書いたりするときと比べて、みずから光を放つ画面を長い時間見つめることは、目に大きな負担を与えます。
画面に集中していると、普段は1分間に15〜20回ほど行われている「まばたき」の回数が少なくなります。すると、涙が乾いて目の表面が乾燥する「ドライアイ」になりやすくなります。
目の疲れは、表面が乾くだけではありません。画面の細かい文字やプログラムのコードを目で追い続けると、目を動かす筋肉が疲れてしまいます。さらに、この目の疲れが脳の神経にまで伝わると、体のだるさや頭痛を引き起こし、仕事の進みが悪くなる原因にもつながります。
ほかにも、画面から出るブルーライトや、明るさの設定が合っていないことも、目のピントを合わせる筋肉をこわばらせ、長い目で見ると視力を下げる原因になると考えられています。
出典)第21回日本眼科記者懇談会 報道用資料
出典)VDT作業における視覚疲労の評価指標に関する研究
同じ姿勢を続けることによる血流悪化と肩こり
IT業務特有の「一日中パソコンに向かう」という業務形態は、公衆衛生の観点から「過剰な座位行動(座りすぎ)」として危険視されています。厚生労働省等の定義によれば、座位行動とは座った状態や横になっている状態(1.5METs以下の低エネルギー消費活動)を指し、この状態が1日に及ぶことは、日常的な運動習慣の有無に関わらず、人体に対して独立した健康リスクとして作用することが複数の疫学研究で証明されています。
具体的には、長時間の座位行動は下半身の筋肉(特に抗重力筋)の活動を低下させます。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によれば、長時間の座位行動(座りすぎ)は、心血管疾患などの健康リスクを高めることが指摘されており、少しでも立ち上がって動くことが推奨されています。
厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、デスクワークで背中が丸まって前かがみになったり、首を前に突き出したりする姿勢が、首や背中、腰の筋肉をこわばらせ続けると指摘されています。
筋肉がこわばると、その部分の血の巡りが悪くなり、疲れがたまっていきます。さらに、目が疲れることで姿勢が崩れ、それがまた筋肉の負担を増やすという悪循環が生まれます。こうした状態が続くことで、頑固な肩こりや、首から肩、腕にかけて痛みやしびれが出る「頸肩腕(けいけんわん)症候群」を引き起こす原因につながります。
出典)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
出典)別添 職場における腰痛予防対策指針
デジタル環境での作業による精神的な疲弊
長時間のパソコン作業による疲れは、体だけでなく心にも現れることがあります。画面上での作業は変化が目に見えにくいため、根を詰めすぎると、労働者のモチベーションを低下させ、精神的な疲弊(バーンアウトやメンタルヘルス不調)を誘発する心理社会的リスク要因になることがあります。
厚生労働省が公表した「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」のデータでも、仕事に対して強い不安やストレスを感じている人の割合は高い状態が続いています。また、過去1年間に月80時間を超える時間外・休日労働があった人のうち、医師による面接指導を受けた人の割合は12.6%となり、前年の6.1%から増加しています。
そのため、多くの企業が働く人の心の健康を守る対策に取り組んでおり、その割合は全体の63.2%にのぼります。具体的な内容としては「ストレスチェックの実施」が65.3%と最も多く、次いで「職場環境の評価や改善」が54.7%となっています。
IT業務やソフトウェア開発などは、手がけた仕事の成果がすぐに目に見える形になりにくい面もあります。日々のトラブル対応やシステムの運用管理といった、緊張感の続く業務を乗り切るためには、こまめに休息を取り、周囲と協力し合える環境づくりが大切になります。
パソコン疲れをその場で和らげる具体的な解消法
1時間に1度は画面から目を離して遠くを見る
情報機器作業による日々の負担を軽減するためには、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に準拠した作業管理が役立ちます。
同ガイドラインでは、作業者の健康障害を予防するための具体的な時間基準と休憩の取り方が以下のように規定されています。
この「10〜15分の作業休止時間」や「小休止」の際には、ディスプレイ画面から意図的に目を離し、窓の外など遠くの景色を見つめることが有効です。遠くを見ることで、凝り固まった目の筋肉がほぐれ、目のピント調節機能がリセットされます。また、作業環境の改善も重要であり、ディスプレイ上の文字の大きさは視角(1度の60分の1)で16分以上、可能であれば20分〜22分に設定することが推奨されています。
出典)情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説
ドライアイの予防と症状緩和のためには、意識的にまばたきの回数を増やすこと、コンタクトレンズの適切な使用時間を守ること、人工涙液やドライアイ治療薬を効果的に点眼することが日本眼科医会から推奨されています。空調の風が直接顔や目に当たらないよう、風向きやデスクの位置を調整する環境整備も、涙液の蒸発を防ぐ上で欠かせない対策です。
デスクでできる簡単なストレッチで血流を促す
長い時間座りっぱなしでいると、血の巡りが悪くなり、肩こりや腰痛の原因になります。これらを防ぐために、こまめに姿勢を変えることを心がけましょう。
厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」でも、仕事の間や休み時間に腰痛を予防する体操を行うことが勧められています。腰のまわりをはじめ、お腹や背中、お尻の筋肉をほぐして柔らかく保つことが、疲れを溜めないために役立ちます。
具体的な方法としては、30分から60分に一度は意識して立ち上がり、座る時間を区切るのがおすすめです。足に溜まった血液が心臓に戻りやすくなり、血の巡りが悪くなるのを防ぐことができます。あわせて、机まわりの狭い場所でもできる、体を伸ばす軽い運動を取り入れるのも良い方法です。
これらの動作を普段の仕事の流れの中にうまく取り入れることで、首や肩甲骨のまわりのこわばりがほぐれ、血の巡りも良くなります。その結果、体の疲れが軽くなり、集中して仕事に取り組みやすくなります。
出典)職場における腰痛予防対策指針
出典)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
慢性的な疲労が続く場合は働き方自体を見直すという選択肢
休暇制度の活用やデジタルデトックスを取り入れる
作業環境の改善やストレッチといった対策を講じても、慢性的な疲労感や意欲の低下が解消されない場合、それは燃え尽き症候群の初期症状である可能性があります。有給休暇などの休みを上手に利用して、仕事やパソコン、スマートフォンから離れる時間を作ること(デジタルデトックス)が、健康を守るためにも大切です。
中小企業向けの経営課題解決支援サイト(J-Net21)においても、デジタル機器の過度な使用は労働者のストレスを高めるリスクがあり、デジタルデトックスの導入が心理的負担の軽減と長期的な職業生活の維持に効果的であると指摘されています。
常に情報に追われるデジタル空間から離れ、オンとオフのメリハリをつけることは、自律神経の働きを整えるための有効な方法です。
パソコンに縛られないハードウェア領域のエンジニアを検討する
パソコンやスマートフォンから離れて一度心を休めても、「仕事に戻ればまた同じように疲れが溜まってしまうのではないか」と心配になることもあるでしょう。
そのようなときは、働き方やこれからの仕事選びを一度考え直してみるのも良い方法です。たとえば、システムやWebといったパソコン中心の業務から離れて、目の前に実物がある「実際に機械に触れる仕事」へ進むという道もあります
現代の製造現場では、ロボットなどの導入による自動化が進んでいます。工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。機械は自分で故障を直すことができないため、必ず人間の手によるメンテナンスを必要とするからです。
当社では、特定の分野にとどまらず、さまざまな業界で活躍できるエンジニアを「クロスオーバーエンジニア」と呼んでいます。コンピューターや電子デバイスなどの部品を対象とし、実際の現場で工具を使って機械の調整や真空装置の点検・修理を行う保全エンジニアの仕事は、実際に体を動かす業務であり、長期にわたり活かせる専門的な技術を身につけることができます。
一日中パソコンの前に座り続ける仕事から離れ、工場内を歩き回り、機械の音や振動といった情報を元にトラブルを解決する働き方は、適度な運動を伴うため、座りすぎによる健康への悪影響を抑えることにつながります。実際の機械に触れながら体を動かして働くエンジニアの仕事は、画面に向かう作業とは違うやりがいを得られる選択肢です。
未経験からこのような技術を身につけるための環境も整っています。当社ではこれを「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。一般的なプログラミングスクールはお金を払って学ぶ仕組みであるのに対し、当社の制度では、正社員として雇用され、給与をもらいながら実機(実際の機械)のある研修施設で学ぶことができます。真空装置や有接点シーケンス制御といった実践的な技術を身につけ、体を動かすエンジニアへと新しく転換することは、働き方を見直す上での選択肢の一つです。
給与をもらいながら学べる「実務×スクール育成制度」で、
未経験からクロスオーバーエンジニアへとキャリアチェンジしませんか?
「IT ずっとパソコン 疲れた」と悩む方のよくある質問
Q.パソコン疲れを理由に異業種や別職種へ転職を考えるのは甘えですか?
パソコン疲れ(情報機器作業による眼精疲労、肩こり、精神的疲弊)を理由に、現在の環境を変えようと行動することは、決して甘えではありません。
長時間のモニター注視や座位行動は、厚生労働省のガイドラインなどによって、人体へ悪影響を及ぼす労働衛生上の健康リスクとして示されています。疲労やストレスは体からのサインであり、自分自身の体質や特性に合った環境、あるいはより体を動かす職種を求めることは、長期的なキャリア形成において自然な判断です。
Q.パソコン中心ではないIT以外のエンジニア職はありますか?
はい、あります。ITの仕事と同じように、機械の点検や修理を行う「保全エンジニア」にも、専門的な技術が必要です。不具合が起きた原因を順序立てて見つける力は、実際の機械を扱う現場でも共通して活かすことができます。
特に、石川県および北陸地方は、今まさに半導体産業の再興とも呼べる活況を見せています。公的なデータを見ても、北陸エリアでは設備投資が相次いでおり、実機(実際の機械)に触れて工場の設備を支えるエンジニアの需要が高まっています。
これらの製造現場で、高度なロボットや真空装置がしっかりと動き続けるように、日々の点検(予防保全)やトラブルが起きたときの修理(事後保全)を行うのが保全エンジニアです。これは、実際の現場に出るエンジニアだからこそ担える重要な役割です。当社では、実際に違う業種から新しくこの仕事に挑戦し、現場で活躍しているエンジニアもいます。
Q.未経験から実物に触れるハードウェアのエンジニアになることは可能ですか?
可能です。意欲のある方を歓迎し、段階的な研修を経ることで現場で活躍できるエンジニアへと成長できるサポート体制を整えています。
当社は雇用の安定を方針として掲げています。当社は正社員として雇用し、研修を受けることができます。
長期的なキャリア形成を支援するために、石川、福井、富山に「AOCテクニカルセンター(ATC)」という研修施設で、経験豊富な講師がしっかりと寄り添い、実機(実際の機械)を用いた研修を行っています。
研修カリキュラムでは、製造現場で求められる以下の3つのテクニカルスキルを学ぶことができます。
工場自動化の共通言語
半導体製造プロセス等で用いられる技術
センサー感度調整やシリンダー速度調整など、設備の最適稼働を維持する技術
私たちが目指すのは、現場で活躍するエンジニアを育成することです。さらに、派遣先での派遣契約の期間満了後に、派遣先企業との合意により、直接雇用へ移行できるケースもあります。
また、地方へ移住してのキャリアチェンジを検討される方に対して、当社は、生活家電付きの単身・独身寮(ワンルームマンション等)を多数完備しています。敷金・礼金が不要で、即日就業・即日入居に対応する案件もあるため、経済的負担を抑えて新生活を始められます。同じ収入でも首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、支出の抑制によって生じる月々の余剰資金が多くなることも、地方都市でエンジニアとして働く上で考慮できる要素と考えられます。
これまでのパソコンに向かい続ける働き方から離れ、自分の手で実機に触れる保全エンジニアへの道は、働き方を見直すための一つの選択肢となります。
当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリアの道筋については、以下のページにてご確認いただけます。
ATC(AOCテクニカルセンター)での実務研修で、現場で活躍できる人材へ。
無期雇用派遣(正社員雇用)で安定した環境を手に入れませんか?

