製造業は休みが多い?年間休日が充実しやすい理由と求人の見極め方

労働時間の見直しやプライベートとのバランスは、今の日本の働き方において主な課題です。なかでも製造業は、他の産業と比べても休みがしっかり取得でき、働く環境も整っている職場が多い傾向にあります。この記事では、製造業で休日が確保しやすい納得の理由と、求人を選ぶときの大切な基準について分かりやすく説明します。

※この記事に書かれている労働基準法などの法律や手当、各種制度については、執筆時点での一般的な情報です。実際の働く条件や契約の内容は、就業先の企業ごとに異なりますので、最新の募集要項で確認してください。

製造業は休みが多い傾向にある?年間休日が充実しやすい3つの理由

製造業で休日をしっかり取れたり、有給休暇を活用しやすかったりするのには、この業界ならではの生産の仕組みや設備のメンテナンス方法が関係しています。

厚生労働省の「令和7(2025)年就労条件総合調査」によると、2024年の1年間に企業がスタッフに与えた年次有給休暇(法律に基づき付与される休暇)について、実際に使われた割合は全産業平均で66.9%でした。

これを業種別に見ると、製造業での有給休暇の取得率は、全体の平均を上回る高い実績となっています。主な業種ごとの有給休暇の平均取得率は、以下のようになります。

主要な産業分野ごとの年次有給休暇の平均取得率
電気・ガス・熱供給・水道業
75.2%
製造業
72.8%
医療、福祉
68.4%
全産業平均
66.9%
建設業
60.7%
卸売業、小売業
59.9%
宿泊業、飲食サービス業
50.7%

出典)令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

製造業でこのようにしっかり休めるのには、主に3つの理由があります。

工場を稼働・停止する計画生産が基本となっているため

多くの工場では、日ごとや月ごとの生産目標をあらかじめ決めておく「計画生産」を行っています。どれくらいの商品が必要とされるかを予測し、数ヶ月先までの計画を立てたうえで、工場の設備をいつ動かしていつ止めるかを決定します。

製品をスムーズに組み立てるためには、すべての工程のスタッフが同時に揃っている必要があります。一部の人だけで機械を動かしても効率が悪くなってしまうためです。そのため、スタッフ個人の休みをバラバラにするのではなく、「この日は工場全体(またはライン全体)を休みにする」と一斉に休日を設定する方法がよく選ばれています。

このように工場全体で休む仕組みになっているため、休日のスケジュールが早くから決まり、計画通りにしっかり休めるのが製造業の大きな特徴です。

お盆や年末年始などの長期休暇(大型連休)を設定しやすいため

工場のロボットや機械は、長い時間動き続けると少しずつ負担がかかります。機械の故障を防いで、製品の品質や働く人の安全を守るためには、定期的に機械を止めてメンテナンスをする必要があります。

完全に壊れてしまう前に点検や部品交換を行う「予防保全」の時間として、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などがよく選ばれます。この期間に、まとめて長期の休暇を設定する企業が多くあります。また、この時期は部品の仕入れ先や運送会社も一斉に休みに入ることが多く、業界全体で足並みを揃えて工場をストップさせるのが合理的なためです。

厚生労働省のデータでも、企業が独自に定めている特別休暇制度のうち「夏季休暇」を設けている企業は41.5%、「年末年始などの1週間以上の長期休暇」がある企業は16.7%となっており、まとまった休みを取る仕組みが浸透していることが分かります。

出典)令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

労務管理が適切に行われやすく法定以上の休日を設ける企業もある

労働基準法第32条では、働く時間を「1日8時間まで、1週間で40時間まで」と定めています。また、同法第35条では、会社はスタッフに対して最低でも週に1回は休日を与えなければならない(法定休日)という決まりもあります。

製造業は規模の大きな工場が多く、働く環境について話し合う場がしっかり整っているのが特徴です。さらに、取引先の大手メーカーからも、法律をきちんと守って運営するよう求められる傾向があります。

このように管理体制がしっかりしているため、法律で義務付けられた「週に最低1回の休日」だけでなく、週休2日制などを取り入れて、それ以上の休日(会社が独自に定める所定休日)を多く設けている企業が数多くあります。

出典)労働基準法 | e-Gov法令検索

休みが多い製造業求人を選ぶメリットと事前に確認すべき注意点

休みの多い製造業の求人を選ぶのは魅力的な選択ですが、交代勤務などのシフト制といった、製造業ならではの働き方が生活にどう影響するかをあらかじめ知っておくことも大切です。

趣味や家族との時間を確保しワークライフバランスを保てる

休日が多いと、プライベートを大切にしながら無理なく働きやすくなります。多くの工場では、年間の生産計画に合わせて、年度の初めに休暇のカレンダーを決定します。そのため、数ヶ月先の休日もあらかじめ分かっており、旅行の計画や家族とのスケジュールを立てやすいのが大きな魅力です。

また、会社があらかじめ有給休暇を取る日を指定する「計画的付与制度」を取り入れている企業もあります。厚生労働省のデータによると、約40.8%の企業がこの制度を導入しています。これがある企業では、決まった日にみんなで有給休暇を消化するため、気兼ねなくしっかりとリフレッシュできます。

出典)令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

シフト制や交代勤務の場合は生活リズムの調整が必要になる

製造業の一部、特に化学プラントや半導体製造ラインなど、一度稼働すると簡単には停止させることができない設備を扱う職場では、24時間体制で稼働しています。そのため、日勤と夜勤を組み合わせた「2交代制」や「3交代制」といったシフト勤務を行います。

このような働き方の場合、休暇が土日祝日ではなく、平日になることも珍しくありません。夜間勤務が入ると生活リズムが変わりやすいため、体調管理には少し気を配る必要があります。

シフト勤務に従事する場合は、日中の睡眠環境を整えるために部屋を暗くする工夫をしたり、夜勤の合間に適切なタイミングで仮眠を取ったりするなど、自分の生活パターンに合わせて無理のない生活リズムを作っていく工夫が大切です。

出典)交代勤務睡眠障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

休日数だけでなく深夜手当などの給与条件や雇用の安定性も見る

求人を探すときは、休日数だけでなく、手当がきちんと支払われるか、長く安心して働ける環境かどうかも合わせて確かめておきましょう。

たとえば、夜勤で働く場合、午後10時から翌日の午前5時までの勤務に対しては、法律(労働基準法第37条)に基づいて25%以上の深夜手当(割増賃金)が必ず支払われます。

また、最も大切なのがお仕事の安定性です。いくら年間休日が多くても、景気の影響などで突然仕事がなくなってしまうような不安定な環境では、将来のライフプランを立てにくくなります。雇用形態ごとの特徴をよく理解し、長く安定して働ける仕組みを整えている企業を選ぶことが、将来にわたる安心につながります。

出典)労働基準法 | e-Gov法令検索

年間休日が多い製造業企業を見極めるための具体的なチェックポイント

求人票の年間休日数が「120日以上」であるかを目安に確認する

求人票にある「年間休日数」は、働きやすさを知るための大きな目印です。プライベートと両立しやすい目安として「年間休日120日」という基準があります。これは、完全週休2日(年間104日)に国民の祝日(年間16日)を合わせた日数です。

厚生労働省のデータによると、企業全体の平均年間休日数は112.4日、働く人1人あたりの平均は116.6日となっています。一方で、スタッフが1,000人以上いるような大企業では、1人あたりの平均が118.9日となっており、規模の大きな企業ほど休日が多い傾向があります。

企業規模別の年間休日総数

全規模平均
1企業平均年間休日総数: 112.4日
労働者1人平均年間休日総数: 116.6日

従業員1,000人以上
1企業平均年間休日総数: 117.7日
労働者1人平均年間休日総数: 118.9日

求人票の年間休日の項目に120日以上という記載がある場合、土日祝休みに加えて、夏季休暇や年末年始といった独自の長期休暇カレンダーとしてしっかり組まれている会社と推測できます。

出典)令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

有給休暇の平均取得日数や企業独自の休暇制度を把握する

規定上の年間休日数だけでなく、実際に有給休暇がどれくらい使われているかや、独自の休暇制度があるかどうかも大切なポイントです。

国のデータによると、1年間にもらえる有給休暇は1人あたり平均18.1日で、そのうち実際に使われたのは平均12.1日(取得率66.9%)でした。気になる企業が公開している有給取得日数が、この全国平均(12.1日)と同じかそれ以上であれば、休みを取りやすい環境が整っていると判断できます。

また、急な体調不良のときに使える「病気休暇」(企業の28.4%が導入)や、心身をリフレッシュするための「リフレッシュ休暇」(同15.4%が導入)といった、特別な休みを用意している企業もあります。

出典)令和7(2025)年就労条件総合調査の概況

AOCの正社員としての雇用の安定と地域に根差した安心感

雇用の不安定さというリスクを抑えつつ、充実した休日カレンダーと専門的なスキルの習得を両立させる選択肢として、AOCの正社員として入社し、多様な製造現場で経験を積みながら技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方があります。

当社では現場で活躍できる人材の育成にとても力を入れています。特定の業界だけでなく、様々な業界で活躍できる技術者を、当社では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。当社の正社員として安定した給与を受け取りながら、実践的な施設で技術を身につけられる仕組みを整えており、これを『実務×スクール育成制度』と呼んでいます。

この研修の中心となるのが、石川、福井、富山に専門の設備を備えた「AOCテクニカルセンター(ATC)」です。※現在、愛知エリアにも研修施設の増設を予定しています。

ATCでは実機(実際の機械)を使い、本番に近い環境で訓練を行います。カリキュラムでは、有接点シーケンス制御の配線作業や図面の読み方、半導体の製造に欠かせない真空装置の適切な取り扱い、整理整頓や安全への配慮など、現場で役立つ専門的な技術を段階的に身につけていきます。ただ手順通りに点検するだけでなく、万が一機械が止まったときにも原因を見つけ出してスムーズに修理できるような、頼りになるエンジニアを目指せます。

今の日本の工場では、自動化やロボットの導入が進むほど、それらの設備をメンテナンスするエンジニアが数多く必要になるという現象が起きています。

機械は自分で故障を直すことができないため、どうしても人の手によるメンテナンスが不可欠です。だからこそ、設備を維持管理する保全エンジニアとしてのキャリアは、将来にわたって長く活躍できる確かな選択肢となります。

就業地域や案件によっては、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの生活家電があらかじめ用意された、ワンルーム寮(1Rや1Kの完全個室)を利用できます。敷金や礼金なども不要で、経済的な負担を抑えて新しいスタートを切ることが可能です。

当社では「やってみたい」という前向きな気持ちを大切にしています。ぜひATC(研修センター)で、新しい一歩を踏み出してみませんか。

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製造業の「休み多い」に関するよくある質問

製造業への就業を検討している方が、休日カレンダーや勤務形態に関して抱きやすい疑問について解説します。

Q.製造業の工場勤務で土日祝日が休みの求人はありますか?

土日祝休みの求人はたくさんあります。ただ、扱う製品や工場の動かし方によって休暇のパターンは分かれます。
自動車の部品や電子機器などを組み立てる工場では、機械のオン・オフを切り替えやすいため、土日を固定の休みにしている企業が多いです。一方で、化学プラントやガラス製造など熱処理を伴うプロセス型製造業では、24時間稼働させる必要があるため、交代制のシフト(平日休みなど)になることが一般的です。

Q.半導体や自動車など産業分野によって休日の多さに違いはありますか?

作っている製品や世の中の需要の動きによって、休日のスケジュールや稼働カレンダーにはそれぞれの特徴があります。
自動車業界は計画的な生産体制が発達しており、基本的には平日に集中して工場を動かし、土日を休日としつつ長期の大型連休を設定する傾向があります。
一方で半導体業界は、世界的な需要の変化にスピーディーに対応するため、工場を24時間動かすことが多く、平日や土日を組み合わせたシフト制の休日が中心となることがあります。

Q.夜勤明けの休日は通常の休日と同じようにカウントされますか?

シフト勤務での「夜勤明けの休み(明け休み)」と、労働基準法で定められた法定休日は、法律上、区別して扱われます。
たとえば、夜勤が翌朝の午前8時に終わり、その日の残りの時間がフリーになることを「明け休み」と呼びます。しかし、法律が定める「休日」とは、原則として「夜の12時から次の夜の12時までの丸1日(24時間)、全く仕事をしない日」を指します。
そのため、朝の8時まで仕事をしていた日は、その後にどんなに長く休めたとしても、法律上の休日にはカウントできません。明け休みの翌日に、朝から晩まで丸1日仕事がない日があって初めて、法律上の「1日の休日」となります。交代制の求人を見るときは、シフト表のなかでこの明け休みと休日がどのように組み合わされているかを、しっかり確認しておくことが大切です。
出典)労働基準法 | e-Gov法令検索

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