プログラマーに向いてない人の特徴とは?別の選択肢となる技術職も解説

プログラマーに向いていないと感じた場合、詳細なデータに基づいて適性を確認し、別の技術職へのキャリアチェンジを検討することが現状を打開する方法の一つです。プログラミング業務は、筋道立てた思考や継続的な学習を必要とするため、人によって適性が大きく分かれる職種にあたります。

長時間のデスクワークや、複雑な不具合の特定作業に苦痛を感じ、今後のキャリアに悩むケースが多く見受けられます。製造の現場で機械や設備を相手にするエンジニアなど、実機(実際の機械)に触れる技術職へ目を向けてみることで、ご自身に合った新たなキャリアの道が見えてくるかもしれません。

※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。

プログラマーに向いてない人の特徴とは?適性を確認する基準

プログラミングという職能は専門性が高く、労働環境や業務内容が自分に合っているかどうかが、心身の負荷に直接影響を及ぼします。労働環境データや公的ガイドラインに基づき、適性を確認するための具体的な基準をお伝えします。

筋道立てた思考や地道なエラー解決(デバッグ)が苦痛に感じる

プログラミングの本質的な作業は、システムの複雑な仕様を細分化し、コンピューターが実行できる構造へと変換していく過程です。開発の過程では想定外のシステムエラーが発生し、矛盾箇所を切り分け、原因となる記述ミスを特定して修正を繰り返す「デバッグ作業」が日常業務の大部分を占めます。地道な原因究明の作業が自分の適性に合わない場合、日々の業務において強い負荷を感じるケースがあります。

厚生労働省の労働安全衛生調査によれば、メンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業または退職した労働者がいた事業所の割合において、情報通信業は全体平均を上回る高い水準にあることが示されています。

労働者が強いストレスを感じる要因(情報通信業等)
仕事の量
厳格な納期に追われる中での膨大なコード記述やテスト工程の消化
47.9%
仕事の質
複雑なアルゴリズムの構築や、再現性の低い難解なエラーの解決過程
39.2%
会社の将来性
技術革新の速さに伴い、習得済みスキルの陳腐化に対する懸念
38.8%
対人関係
チーム開発における仕様の認識齟齬や、プロジェクト進行における折衝の難しさ
36.9%

出典)令和6年労働安全衛生調査…(Excelより) – e-Stat

不具合の原因が判明するまで仮説検証を繰り返す過程は、大きな重圧を伴います。コンピューター上で行う業務に対して、興味よりも苦痛が先行してしまう場合、プログラマーとしての適性という点では、不向きな面があるといえます。長時間の集中を維持し、細かい文字の羅列から一つのミスを見つけ出す作業は、向き不向きがはっきりと表れる分野です。

常に最新のIT技術を自学自習し続けることに負担を感じる

IT業界は技術の陳腐化が早い分野であり、数年前まで標準とされていた言語や開発環境が、短期間で時代遅れとして扱われるケースがあります。プログラマーとしてキャリアを継続するためには、業務での経験に加え、最新の技術動向を継続的に学ぶ意欲が必要です。新しいフレームワークやツールの登場に合わせて、知識をアップデートし続ける姿勢が評価の対象となります。

厚生労働省の能力開発基本調査を参照すると、情報通信業において労働者が主体的に自己啓発を行っている割合は高く、継続的な学習が業種全体の文化として定着している事実がわかります。業務外の時間を削って技術学習に投資し続ける現状に根本的な疑問を感じてしまう方は、長期的なキャリアを形成する上で壁に直面する懸念があります。

新しいIT知識を体系的に習得するためには多くの労力を要し、中堅エンジニアの登竜門とされる国家資格の取得など、高度な知識を身につけるためには長期にわたる学習が必要といえます。技術の移り変わりに追いつくための学習を楽しいと感じられない場合、日々の自己研鑽が重い負担に変わっていきます。休日の時間を使ってプログラミング関連の書籍を読んだり、個人のポートフォリオを作成したりする行動が自然にできない場合、自分の適性を見つめ直すタイミングかもしれません。技術への探究心は、プログラマーのキャリアを維持するための重要な原動力です。

出典)令和5年度「能力開発基本調査」結果 – 厚生労働省

1日中パソコンの画面に向かって座り続ける作業が合わない

プログラマーの業務形態は、1日中パソコンのディスプレイに向かい、キーボードとマウスを操作し続ける作業が中心です。体を動かしたり、実際の成果物に直接触れたりする現場の仕事を好む人にとって、閉鎖的かつ拘束的な作業環境は、からだおよび精神的な苦痛を伴う要因にあたります。長時間の座位姿勢は、健康面にさまざまな影響を及ぼす心配があります。

厚生労働省が策定したガイドラインでは、情報機器を使用して作業を行う労働者の心身の負担を軽減するため、事業者が講ずべき厳密な措置が定められています。

影響の種類
具体的な自覚症状の例
予防のための管理措置の例
眼への影響(視覚疲労)
ドライアイ、眼精疲労、目の充血、視力低下
定期的な眼科学的検査、ディスプレイの位置や明るさの調整
からだへの影響(筋骨格系)
首・肩の凝り、腰・背中の痛み、腕の痛み、腱鞘炎
適切な机と椅子の配置、無理のない姿勢の保持、職場体操の実施
心への影響(精神的疲労)
イライラ、不安感、持続的な疲労感、憂うつ感
従業員の能力に応じた適切な業務量の配分、定期的なストレスチェック

出典)情報機器作業における労働衛生管理… – 厚生労働省

健康を維持するためには「一連続の作業時間が1時間を超えないこと」や「次の連続作業までに10〜15分の作業休止時間を確保すること」などが具体的な基準として明記されています。体を動かすことによってリフレッシュを図るタイプの人にとって、拘束性の高いプログラマーの作業環境は、パーソナリティと合致しない可能性が高いでしょう。

プログラマーに向いてないと感じた際のキャリアチェンジ戦略

学習の過程や実務を通じてプログラミングに対する適性に限界を感じた場合であっても、過去の経験や自身の持つ特性を活かせるキャリアチェンジの方法があります。ITの基礎知識を別の形でアウトプットする職種を選ぶことで、新たな可能性が開けます。

IT業界内でプログラミング以外の職種(インフラや営業)を目指す

プログラミング言語を用いたコードの記述が不得手であっても、過去の学習を通じて培ったIT全般の基礎的なリテラシーや、システムが機能する全体像に対する理解度は活用できます。IT業界というフィールドに留まりながら、プログラミング以外の職種へスライドする計画が有効です。業界の動向や専門用語を理解している点は、転職市場において大きな評価ポイントになります。

代表的な働き方として、サーバーの構築やネットワークの運用保守を担う「インフラエンジニア」や、自社のシステムやソフトウェアの導入を顧客に提案する「IT営業(セールスエンジニア)」などが挙げられます。コンピューターや電子デバイスなどのハードウェアの構成やクラウド技術などのIT基礎知識が必須となるため、過去の学習経験を活かすことができます。顧客の困りごとをヒアリングし、IT技術を用いてどのように解決するかを筋道立てて説明する能力は、コードを書くスキルとは異なる価値を生み出します。

異業種へ転職し、コミュニケーション力などの強みを活かす

デジタルデバイスに向き合い続ける環境自体がパーソナリティに合わないと判断した場合は、異業種へ転職する道があります。IT業界から離れ、前職までの経験や、人と関わるコミュニケーション能力、スケジュール調整力など、自身の本来の強みを活かせる業界への転職です。メーカーの法人営業職やバックオフィス部門など、対人スキルが評価される環境へ目を向けることが現状の打開につながります。

  • IT業界での学習で得た「筋道立てて整理して考える力」やパソコンスキルは、あらゆる業界の業務効率化の推進役として評価されるケースがあります。
  • 他部署との連携や顧客との折衝など、人間関係の構築を伴う業務は、現状ではAIやシステムによる代替が進みにくい分野です。
  • 相手の意図を正確に汲み取り、適切な提案を行う技術は、プログラミングの要件定義で用いるヒアリング能力と共通しています。

パソコンの画面ではなく、人間と直接向き合う仕事にやりがいを感じる場合、サービス業や企画職などへのキャリアチェンジが働き方に入ります。自身の特性を客観的に分析し、得意な分野で勝負できる環境を見つけることが重要です。

ITではなく実際の機械を扱うハードウェア分野のエンジニアへ転換する

専門的な技術を身につけて技術職に就きたいという思いを残しつつ、ソフトウェア開発には適性を見出せなかった方に向けた有力な道が、実際の機械や電子機器を扱う「保全エンジニア」への転換です。実機(実際の機械)に直接触れ、機械を修理・調整する技術職にあたります。さまざまな業界で活躍できる保全エンジニアを、エー・オー・シー(以下、当社)では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。

工具を使ってメンテナンスを行ったり、機械の動作不良を実際に調整したりする作業は、ソフトウェアのデバッグとは異なる達成感をもたらします。ソフトウエアのプログラム内のコードを組み立てるプログラミングとは異なり、保全エンジニアは「どこが摩耗しているか」「なぜ異音がするのか」といった、目の前にある機械を自分の手で直すという目に見える成果が得られる点が大きな違いです。体を動かしながら技術を磨きたい方にとって、現場での実務経験が専門技術の向上につながります。

実際の機械を扱う「保全エンジニア」が新たな道となる理由

実際の機械を扱う保全エンジニアが有力な道となる背景には、産業構造の明確な変化があります。デジタル化が進む現代においても、実機をメンテナンスする人材の需要は着実に伸びています。

AIによる自動化が進む中でも、現場での機械を修理・調整する技術には継続的なニーズが見込まれる

ソフトウェアの分野ではAIが自然言語から自動でプログラミングのコードを生成する技術が実用化され、定型的なコーディング作業はAIに代替されつつあります。一方で、製造現場で稼働する産業用ロボットや半導体製造装置といった実際の機械のメンテナンスは、デジタル技術の進化だけでは完結しません。摩耗した部品の交換やセンサーのわずかな角度調整といった作業は、人間のエンジニアの手と経験則に基づく判断が現状求められる分野です。

工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。自動化の裏側で設備を支える保全エンジニアの役割は、今後さらに重要性を増していくといえます。現場で頻繁に用いられる主な専門技術は以下の通りです。

現場で用いられる主な専門技術
有接点シーケンス制御技術:リレーの接点や構造を理解し、基礎理論を用いて機械の自動制御の仕組みを読み解く技術。断線箇所の特定等に役立ちます。
真空装置の取り扱い技術:半導体製造プロセス等に不可欠な真空ポンプの操作や、クリーンな環境下でのOリングの交換を行う技術。
機械調整技術:センサーの感度調整やシリンダーの動作速度調整など、設備を最適に稼働させ続けるための実際の調整能力。

有料スクールに通わずとも、働きながら技術を習得できる環境がある

未経験からプログラマーを目指す場合、お金を払ってプログラミングスクールに通い学習するケースが数多く見受けられます。しかし、保全エンジニアを目指す場合には、企業に雇用され安定した給与を受け取りながら、実践的な技術を学べる環境があります。これを当社では『実務×スクール育成制度』と呼んでいます。

石川、福井、富山に拠点を構える当社の「AOCテクニカルセンター(ATC)」において、実際の製造現場と同じ最新の装置を使用した本格的な研修を実施しています。(今後は愛知県にも拠点を拡大する予定です。)座学だけでなく、実機を用いた実践的なカリキュラムを通じて、現場で活躍できる人材の育成を行っています。

生活環境の支援として、就業エリアには生活家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)付きの個室寮(1R・1K)を完備しています。敷金・礼金不要で即日入居・就業にも対応する案件もあるため、経済的負担を抑えて新生活をスタートすることができます。地方で暮らす場合、首都圏と比較して家賃相場が安いため、同じ収入でも生活費の支出が少ない分、自由に使えるお金が多くなるのも良い点です。

当社の正社員として入社し、実機(実際の機械)を使っての研修を経て技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方を提示しており、雇用の安定を方針として掲げています。

当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリアの道については、以下のページにてご確認いただけます。

【AOCで長く活躍できるエンジニア技術を身につけませんか?】

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「プログラマー 向いてない」と悩む方からのよくある質問

途中でプログラミング学習に挫折した場合のリカバリー方法は?

学習で挫折してしまった場合でも、その経験は、自分には別の分野で活かせる適性があることを知るきっかけになります。学習を通じて得た筋道立てて考える力やITの技術は、他の技術職において大いに活用できます。

保全エンジニアの業務においては、機械を制御するためのプログラムの挙動を理解し、不具合の切り分けを行う場面があります。ソフトウェアのコード単体に向き合うのではなく、実際の機械の動きを観察しながら点検や修理を行うため、直感的に理解しやすいケースがあります。これまでの学習経験を、機械や制御システムを扱う技術として活かすことで、新たなキャリアにつなげることができます。

文系出身や未経験から技術職(エンジニア)になることは可能ですか?

保全エンジニアなどのハードウェア分野においては、過去の経歴よりも、実機に向き合う真摯さや研修での習熟度が重視されます。当社では意欲のある方を歓迎しています。文系出身や未経験の方でも十分に目指せます。
工場などの現場においては、他部門との連携や報告・相談といったコミュニケーションが生産効率を左右します。文系出身者が培ってきた対話する力や文章構成力は、現場に出るエンジニアが担う役割において大きなアドバンテージになります。当社のATC研修では基礎から指導を行い、現場で活躍できる人材の育成を目指しています。

お金をかけずに未経験から専門技術を身につける手段はありますか?

国が用意している制度には「ハロートレーニング」があります。その中の一つで、雇用保険を受給できない方を対象とした国の「求職者支援制度」では、無料の職業訓練と就職支援を受けることができます。さらに「本人収入が8万円以下」「世帯の金融資産が300万円以下」などの要件を満たせば、職業訓練受講給付金の支給を受けることもできます(給付金の対象外であっても訓練の受講は可能です)。

出典)求職者支援制度のご案内 – 厚生労働省

もう一つの働き方が、企業が提供する育成型の雇用制度を活用することです。
育成型の雇用制度モデルのことを当社では「実務×スクール育成制度」と呼んでおり、当社の正社員としての入社と同時に労働契約を結ぶため、公的な給付金のような世帯収入や金融資産の制限は問われません。

当社に正社員として入社した場合、生活に必要な給与を受け取りながら、実機を使った専門的な技術研修を受けることができます。給与を得ながら学ぶという方法は、生活基盤を安定させながら技術者を目指す現実的な手段にあたります。

プログラマーという職種に向いていないと感じたとしても、技術職として生きる道を諦める必要はありません。自身の適性を具体的な基準で見極め、実際の現場で実機を扱う保全の道へと視点を移すことで、キャリア形成の道は広がっていきます。