AIに仕事を奪われる心配への答え!代替されにくい仕事の3つの条件

AIの話題を見聞きするたびに、「自分の仕事はいつまであるのだろう」と気になってしまう方は少なくありません。漠然とした不安を抱えたまま今の仕事を続けるのは、落ち着かない状態です。

この不安は、「AIが仕事を奪うか」という大きな問いのままでは答えが出ません。実際に分かれ目になるのは、自分が担当している業務が手順の決まった内容なのか、その場の状況を見て判断する内容なのかという点です。

この記事では、不安の中身を業務の性質に分けて整理し、公的な調査が示している内容と、代替されにくい仕事の共通点をお伝えします。

※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。

目次

不安の正体は職業名ではなく業務の性質にある

「この職業はなくなる」という語り方は分かりやすい一方で、実際の変化は職業単位ではなく業務単位で進みます。同じ職業の中でも、AIに置き換わる業務と人が担い続ける業務が混在します。

置き換えやすいのはデータとして扱いやすい業務

手順が決まっていて、扱う情報が数字や文字として整っている業務は、機械に任せやすい領域です。入力、集計、決まった条件での振り分けといった作業がこれにあたります。パソコン上で完結する業務ほど、この性質を持ちやすくなります。

置き換えにくいのは現場の状況を見て判断する業務

その場の音や振動、部品の状態を確かめ、原因を絞り込んで手を動かす業務は、データだけでは完結しません。同じ症状でも原因が複数あり、どこから確認するか順序を考える必要があります。

まず自分の一日の業務を書き出し、それぞれが上記のどちらに寄っているかを見ると、不安の中身が具体的になります。

スパナを使って設備のメンテナンスを行う作業の様子

公的な調査でも代替の可能性は業務ごとに分かれている

労働政策研究・研修機構は、自動化技術の普及によって雇用がどの程度代替されうるかを分析した調査研究を公表しています。代替されやすい業務と、そうでない業務が分かれることが示されています。

出典)自動化技術の普及による雇…|労働政策研究・研修機構

AIの導入が雇用に与える影響も継続して調査されている

同機構は、AIの導入が雇用や働き方に及ぼす影響についても調査研究を行っています。技術の広がり方と職場での使われ方は分野によって差があり、一律に進むわけではないことが示されています。

出典)AIの導入が雇用等に及ぼ…|労働政策研究・研修機構

製造業では人材の確保と技能の受け継ぎが課題として挙がる

経済産業省・厚生労働省・文部科学省がまとめた「2026年版ものづくり白書」では、製造業における人材の確保と、現場の技術を次の世代に受け継ぐことが課題として取り上げられています。自動化が進む一方で、設備を扱える人材が足りていない状況が並行して起きています。

出典)2026年版ものづくり白書|経済産業省

自動化が進むほど設備を扱う仕事の量は増える

機械は自律的に故障を修復できない

ロボットを導入して工場の省人化を進めるほど、そのロボットや設備を点検・修理する仕事の量は増えます。機械は自律的に故障を修復できないため、人の手によるメンテナンスを必要とします。

故障の予兆をとらえる技術と故障を直す技術は別のもの

センサーが集めたデータをもとに故障の予兆をとらえる仕組みは広がっています。ただし、予兆が分かった後に部品を交換し、調整して元の状態に戻す作業には人の手が必要です。データを読む技術と、機械を直接直す技術は別々のものです。

現場では想定外の状況が日常的に起きる

工場の設備は、部品の摩耗の進み方や周囲の環境によって同じようには壊れません。マニュアルに載っていない状況で、その場の情報から次の一手を決める場面が繰り返されます。AI時代の職種選びはAIを使う仕事で未経験から生き残る!保全エンジニアの将来性と選び方でも扱っています。

代替されにくい仕事に共通する3つの条件

職業名で探すのではなく、次の3つの条件で今の仕事や応募先を見ると判断しやすくなります。

条件
当てはまる業務の例
確認する方法
物理的に手を動かす
部品の交換、機械の調整
仕事内容の欄に工具や設備が出てくるか
状況を見て判断する
不具合の原因を絞り込む
点検や修理が業務に含まれるか
業界をまたいで通じる
配線図の読み方、部品の測り方
研修で扱う技術が特定製品専用でないか

3つ目の「業界をまたいで通じる」が最も見落とされやすい

手を動かす仕事であっても、特定の製品や装置にしか使えない技術では、その製品の生産が終われば、次に選べる仕事の幅が限られる可能性があります。扱う機械が変わっても使える技術かどうかを確認しておく必要があります。

資格がなくても長く働ける職種の考え方は長く活躍できる仕事は資格なしで可能!AI時代を生き抜く職種で紹介しています。

保全エンジニアは3つの条件をいずれも満たす職種

エー・オー・シー(以下、当社)が育成しているのは、工場の機械や設備を点検・修理する保全エンジニアです。パソコン上で行う業務ではなく、機械や電子機器に直接触れる仕事という点が特徴です。

業務は故障前の点検と不具合の修理に分かれる

保全エンジニアの業務は、機械が故障する前に行う点検(予防保全)と、不具合が起きた箇所を直す修理(事後保全)に分かれます。工場の設備は動かし続けることで部品が摩耗するため、定期的な点検と、必要なタイミングでの部品交換を組み合わせて生産ラインを動かし続けます。

業界をまたいで活かせる技術を持つ「クロスオーバーエンジニア」

さまざまな業界で活躍できる保全エンジニアを、当社では「クロスオーバーエンジニア」と呼んでいます。半導体、医薬品、繊維、自動車部品など、業界によって扱う機械は異なりますが、点検や修理の基本的な技術は共通している部分が多くあります。

そのため、一つの業界で身につけた保全の技術は、別の業界の工場でも活かすことができます。特定の製品の売れ行きに左右されにくい点は、長く働くうえでの判断材料の一つです。

公的な技能検定で到達点を確認できる

機械の保全は、国が定める技能検定の職種として整理されています。何を身につければ次の段階に進めるかが公的な基準として示されているため、技術の到達点を自分で確認できます。

出典)機械保全技能士|技のとびら|厚生労働省

給与を受け取りながら技術を学べる「実務×スクール育成制度」

入社後すぐに現場に配属されるのではなく、給与を受け取りながら実機(実際の機械)を使って実践的な技術を学べる独自の育成制度を、当社では「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。当社の正社員として入社後、実機を使った研修を経て技術を習得し、エンジニアとして長く活躍できるキャリアを目指せます。

当社では「AOCテクニカルセンター(ATC)」を石川、福井、富山、愛知の4拠点に設置しています。研修期間は1.5ヶ月で、電気の基礎、機械の基礎、そして各拠点の専門技術を順番に学ぶ内容です。少人数制のため講師が寄り添って指導し、機械に触れた経験がない状態からでも順を追って技術を積み上げられます。

研修で扱うのは制御・真空装置・機械調整の3分野

研修では、リレーの接点や配線図の読み方を学んで設備が止まった原因を見つけて直す有接点シーケンス制御の技術、半導体製造に使う真空装置の点検や部品交換の技術、歯車やベルトなどの部品を分解・組み立て・調整する機械調整の技術を扱います。

いずれも特定の製品専用ではなく、機械があるさまざまな工場で通じる内容です。

PLCなど制御機器の電子部品を扱う様子

今の仕事から転職するときは3段階で進める

段階1. 今の業務を定型と非定型に分けて書き出す

一日の業務を並べ、手順が決まっている作業と、状況を見て判断している作業に分けます。後者が少ない場合、今の仕事はAIの影響を受ける可能性が高いと考えられます。

段階2. 転職先の候補を3つの条件で絞る

物理的に手を動かすか、状況を見て判断するか、身につけた技術をほかの業界でも活かせるか。この3点で求人を見ると、給与や勤務地だけの比較から離れられます。

段階3. 研修の中身と雇用形態を確認する

研修期間が明記されているか、実機を扱う時間が含まれているか、雇用に契約期間の定めがあるかを確認します。地域ごとの状況は石川県でAIに代替されにくい製造業とは?未経験から目指せる職種と対策や富山県でAIに奪われない仕事とは?未経験から挑戦できる職種とキャリアの築き方で確認できます。

自動化が進んだ工場では新しく増えている業務がある

設備が新しくなると、現場にはこれまでになかった業務が生まれます。減る業務にばかり気を取られていると、こうした新しい変化を見落としてしまいがちです。自動化が進んだ現場では、例えば次のような業務が新たに増えています。

データを見て点検の計画を立てる業務

センサーが設備の状態を記録するようになると、その数値を読んで、いつ点検するかを決める業務が発生します。数値が示す変化と、現場の機械の状態を突き合わせて判断する場面です。

設備を新しく導入するときの立ち上げ業務

工場に新しい装置が入るとき、据え付けから配線、動作の確認までの作業が生じます。図面通りに動かない箇所を調整する工程は、導入のたびに繰り返されます。

記録を残して次の判断につなげる業務

どの部品がどれくらいで摩耗したか、どんな症状のときに原因がどこだったかを記録に残す作業は、次の点検の精度につながります。現場でしか得られない情報を整理する業務です。

福井県での状況はAIに奪われない設備保全とは?福井県で未経験から始める方法で紹介しています。

AIに仕事を奪われる心配に関するよくある質問

Q1. 保全エンジニアの仕事もいずれ自動化されますか?

センサーのデータから故障の予兆をとらえる仕組みは広がっています。一方で、部品を交換し、調整して元の状態に戻す作業には人の手が必要です。データを読む技術と手を動かす技術の両方を持つ人材は、今後も一定の需要が見込まれます。

Q2. 事務職から現場の仕事へ移るのは難しいですか?

当社の研修は未経験からの入社を前提に組まれています。書類やデータを扱ってきた経験は、点検の記録を正確に残す場面で活きます。

Q3. ITの仕事を続けながらAI時代に備える方法はありますか?

今の業務の中で、状況を見て判断する仕事を増やしていくことは、AI時代に備える方法の一つです。ハードウェアの分野へ移る道についてはAI時代に技術者を目指す未経験からの進み方で紹介しています。

Q4. 資格を取れば代替されにくくなりますか?

資格そのものより、身につけた技術が現場の設備で使えるかどうかが判断の中心です。技能検定には実際に作業を行う試験が含まれるため、実務の経験と組み合わせると内容が確かなものになります。

Q5. 年齢が上がってからでも転職できますか?

当社では、応募者が過去の困難にどう対処したかや、どのような姿勢で業務に取り組むのかを重視しています。年齢による区分ではなく、これから技術を身につける意欲を見て判断します。

Q6. ATCの研修中も給与はもらえますか?

当社の正社員として入社するため、1.5ヶ月の研修期間中も給与が支払われます。生活費の心配をせずに、技術の習得に取り組める仕組みです。

まとめ|職業名で不安になるより業務の性質で判断する

AIに仕事を奪われるかという問いは、職業名だけでは答えが出ません。分かれ目は、担当している業務が手順の決まった内容なのか、状況を見て判断する内容なのかという点です。

判断の材料になるのは、物理的に手を動かすか、状況を見て判断するか、身につけた技術をほかの業界でも活かせるかの3点です。工場の設備を点検・修理する仕事は、この3つをいずれも満たし、自動化が進むほど業務量が増えます。

今の仕事を一日単位で書き出し、手順の決まった作業と状況を見て判断する作業に分けてみると、AIの影響を受ける可能性が高いかどうか分かりやすくなります。転職先を探す場合は、研修期間が明記されているか、実機を扱う時間が含まれているか、雇用に契約期間の定めがあるかを確認します。

当社の正社員として入社後、実機(実際の機械)を使った研修を経て技術を習得し、エンジニアとして長く活躍できるキャリアを目指せます。当社が提示する働き方について、さらに詳しく知りたい方は下記のクロスオーバーエンジニア専用ページからご確認ください。

未経験からこの仕事に就いた方の歩みを、約1分の動画にまとめました。