今の職場を離れたい気持ちはあるのに、「では何がしたいのか」と聞かれると答えが出てこない。転職を考え始めた方から、この悩みはよく聞かれます。
やりたいことが出てこないまま求人を眺めても、条件の良し悪しだけで比べることになり、応募の決め手が見つかりません。順番を変えて、まず「これは避けたい」という条件から絞り込むと、残った選択肢の中から自分に合う仕事が見えてきます。
この記事では、やりたいことが定まらない状態から転職の方向を決める手順と、迷ったときに残りやすい「技術が積み上がる仕事」の中身をお伝えします。
※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。
目次
やりたいことが出てこないのは知っている仕事の数が少ないから
やりたいことを考えるとき、多くの人は自分の内側を探します。しかし、実際に選べるのは自分が名前を知っている職種だけです。世の中にある仕事の種類に対して、名前と中身の両方を知っている職種は限られています。
つまり、答えが出てこない原因は自己分析の不足ではなく、選択肢の情報量にあります。自分の中を掘り続けても新しい職種は出てきません。
好きなことを仕事に結びつけようとすると手が止まる
趣味や好きなことを仕事に直結させようとすると、条件に当てはまる求人がほとんど見つからず、そこで検討が止まります。好きなことは働く動機として役立ちますが、職種を決める入口としては範囲が狭すぎます。
機械やものづくりへの興味を仕事に活かす方向を考えている方は、ものづくりに向いている人の特徴と適性!経験から転職を成功させる方法で適性の見方を確認できます。
先に決めるのはやりたいことではなく避けたい条件
やりたいことは言葉にしづらくても、「これは続けられない」という条件は、これまでの経験から具体的に挙げられます。夜勤が続く生活は避けたい、立ちっぱなしの作業は体に合わない、毎年契約の更新を気にする働き方はやめたい、といった内容です。
避けたい条件を先に書き出すと、求人の絞り込みがそのまま進みます。やりたいことを探す作業と違い、答えが出るまでの時間が短いのが利点です。

避けたい条件は4つの軸で書き出すと整理できる
避けたい条件は、思いつくままに並べると重複します。次の4つの軸に分けて書き出すと、求人票のどの欄を見ればよいかまで決まります。
4つ目の「仕事の中身」が数年後の差につながる
4つの軸のうち、働く時間や場所は入社直後から実感できるため、比べやすい項目です。一方で「仕事の中身」は入社時点の差が小さく、数年経ってから差が出ます。
担当する工程が大きく変わらない働き方では、身につく技術の幅も限られやすい傾向があります。決まった手順を繰り返す業務にやりがいを感じにくくなった経験がある方は、ルーティンワークに飽きる理由と転職の判断基準!キャリアチェンジも一つの方法もあわせてご覧ください。
迷いが残るときは技術が積み上がる仕事から見ていく
やりたいことが定まらない段階では、「どの会社でも通じる技術が残るか」を基準に置くと選びやすくなります。技術が残る仕事であれば、数年後に方向を変えたくなったときの選択肢も広がります。
工場の機械を点検・修理する保全エンジニアの仕事
エー・オー・シー(以下、当社)が育成しているのは、工場の機械や設備を点検・修理する保全エンジニアです。業務は、機械が故障する前に行う点検(予防保全)と、不具合が起きた箇所を直す修理(事後保全)が中心です。
工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。機械は自分で故障を修復できないため、人の手によるメンテナンスが必要です。仕事の中身は設備保全の仕事内容とは?未経験から転職する手順ややりがいを解説で確認できます。
一つの業界で身につけた技術を別の業界でも活かせる
さまざまな業界で活躍できる保全エンジニアを、当社では「クロスオーバーエンジニア」と呼んでいます。半導体、医薬品、繊維、自動車部品など、業界によって扱う機械は異なりますが、点検や修理の基本的な技術は共通している部分が多くあります。
そのため、一つの業界で技術を身につけると、別の業界の工場でもその技術を活かせる場面が増えます。今の時点で業界を決めきれない方にとって、後から方向を変えられる余地が残る点は判断材料の一つです。
国の評価基準にも保全の職務内容が定められている
厚生労働省が定める職業能力評価基準では、機械の保全について、必要な知識と成果につながる職務行動の例が細かく定められています。仕事の中身が公的な基準として整理されている分野であり、何を身につければ次の段階に進めるかを確認しやすい点も特徴の一つです。
将来の方向性が定まらない状態から動き出す3つの手順
手順1. 避けたい条件を4つの軸で紙に書き出す
前章の4つの軸に沿って、これまでの経験から続けられなかった条件を書き出します。理由まで一言添えると、面談で希望を伝えるときの材料になります。
手順2. 残った求人を仕事の中身で並べ替える
条件で絞り込んだ後、給与や勤務地ではなく「入社後にどんな技術が身につくか」の順で並べ替えます。研修制度の欄に実機を使う内容が書かれているか、研修期間が明記されているかを見ます。求人選びの基準は未経験の転職で正社員を目指す手順!保全エンジニアの選び方でも紹介しています。
手順3. 面談で配属の実績を具体的に確認する
求人票だけでは分からない部分は、面談で質問します。「これまでどんな職場に配属された人がいるか」「研修で学んだことが現場でどう活きているか」を具体的に答えられる会社かどうかで、育成の実績が見えてきます。何から着手すればよいか迷う方はエンジニア未経験は何から着手すべきか?具体的な手順と職種選びを解説もご覧ください。
給与を受け取りながら技術を学べる「実務×スクール育成制度」
入社後すぐに現場に配属されるのではなく、給与をもらいながら研修を受けて技術を学べるこの仕組みを、当社では「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。当社の正社員として入社後、実機(実際の機械)を使った研修を経て技術を習得し、エンジニアとして長く活躍できるキャリアを目指せます。
当社では「AOCテクニカルセンター(ATC)」を石川、福井、富山、愛知の4拠点に設置しています。研修期間は1.5ヶ月で、電気の基礎、機械の基礎、そして各拠点の専門技術を順番に学ぶ内容です。少人数制のため講師が寄り添って指導し、機械に触れた経験がない状態からでも順を追って技術を積み上げられます。

求人票は4つの欄を読むと仕事の中身が見えてくる
求人票は情報量が多く、確認するポイントを決めておかないと給与と勤務地だけで比べることになります。将来の方向性が定まらない段階では、次の4つの欄を順番に読むと中身の差が見えてきます。
仕事内容の欄では担当する工程の幅を確かめる
同じ「製造」でも、担当する範囲は求人によって異なります。特定の工程を繰り返す業務なのか、複数の設備を見て回る業務なのかで、数年後に身につく技術の幅が変わります。工程名が一つだけ書かれている場合は、面談で担当範囲の広がり方を確認します。
研修制度の欄では期間と実機に触れる時間を確かめる
研修の記載は「充実した研修あり」といった一言で終わっている求人もあります。見るべきは、研修期間が何ヶ月と明記されているか、座学だけでなく実機を使う時間が含まれているか、研修中の給与の扱いが書かれているかの3点です。
当社の場合、ATCでの研修期間は1.5ヶ月で、電気の基礎、機械の基礎、各拠点の専門技術を順番に学ぶ内容です。研修期間中も当社の正社員として給与が支払われます。
雇用形態の欄では契約期間の定めがあるかを確かめる
契約期間の定めがある働き方では、更新のたびに次の就業先を考える必要があります。期間の定めのない雇用契約であれば、就業先の業務が終了した場合でも雇用関係は継続します。数年先まで見て選ぶなら、この欄は給与よりも先に確認したい項目です。
勤務時間と休日の欄では生活のリズムを確かめる
交代制勤務があるか、日勤のみかは、生活のリズムに直結します。夜間の勤務については、労働基準法に基づき、22時から翌5時までの勤務に対しては25%以上の割増賃金が支払われます。給与額だけを見て比べると、この違いが見えません。
働き方の実態については夜勤なしの工場勤務のメリットとデメリット!給料の目安と安定して働く方法でも確認できます。
技術が積み上がっている実感は担当範囲の変化で確かめられる
やりたいことが定まらないまま入社した場合、気になるのは「この選択で合っていたのか」を後から判断できるかどうかです。技術職の場合、その判断材料は担当できる範囲の変化に表れます。
1年目は手順書のある作業を任される段階
配属直後に担当するのは、決められた箇所を確認して記録に残す点検作業や、交換時期が決まっている部品の交換です。手順が決まっているため、覚えた内容をそのまま実行できるかが評価されます。
数年後は不具合の原因を判断する作業に関わる
点検に慣れると、設備が止まったときの対応に関わります。原因を電源、配線、部品の順に確かめ、どこを直せば動くのかを判断する作業です。ここまで来ると、手順書のない状況でも自分で考えて対応できるようになります。
担当した設備の種類が増えるほど、身につけた技術を他の機械にも応用できるようになります。将来の方向性を決めきれない状態で入社しても、この経験の積み重ねがあれば数年後に選べる道は広がります。
公的な技能検定が到達点の目安になる
自分の技術がどこまで来たのかを測る目安として、国が定める技能検定があります。機械の保全は技能検定の職種として整理されており、ATCの研修は機械保全技能士2級相当の技術習得を目指す内容になっています。
将来の目標がまだ明確に定まっていない段階でも、公的な基準に沿って到達点を確認できる分野であれば、進んでいる実感を持ちやすくなります。
やりたいことがわからない転職に関するよくある質問
Q1. やりたいことが決まっていない状態で面談を受けても大丈夫ですか?
大丈夫です。避けたい条件と、技術を身につけたいという方向が伝われば、担当者と一緒に職種を絞り込めます。当社の面談では、これまでの経歴や希望する働き方を確認しながら進めます。
Q2. 職歴が短い、または空白期間がある場合はどう伝えればよいですか?
当社では、応募者が過去の困難にどう対処したかや、どのような姿勢で業務に取り組むのかを重視しています。年代別の進め方は職歴なしから正社員転職を成功させる方法!20代と30代、年代別の進め方とコツで紹介しています。
Q3. 機械の知識がまったくない状態からでも保全エンジニアを目指せますか?
目指せます。ATCの研修は工具の使い方や回路図の見方といった基本から始まる内容で、入社の時点で資格や経験を持っていなくても段階的に技術を身につけられます。
Q4. 自分に向いているか判断できない場合はどうすればよいですか?
機械が好き、ものづくりに興味がある、といった目的意識を持てるかどうかが一つの目安です。向き不向きをより具体的に知りたい方は保全エンジニアに向いてる人・向いてない人の特徴と未経験からの適性で確認できます。
Q5. 研修中も給与はもらえますか?
当社の正社員として入社するため、1.5ヶ月の研修期間中も給与が支払われます。学びながら生活費の心配をせずに技術を身につけられる仕組みです。
まとめ|やりたいことより避けたい条件から考えるのが有効
やりたいことが出てこない原因は、自己分析の不足ではなく知っている職種の数にあります。働く時間、雇用形態、働く場所、仕事の中身の4つの軸で避けたい条件を書き出せば、求人の絞り込みはそのまま進みます。
残った選択肢を「どんな技術が身につくか」で並べ替えると、将来の方向性が定まらない段階でも判断できます。当社なら、正社員として入社後、実機(実際の機械)を使った研修を経て技術を習得し、エンジニアとして長く活躍できるキャリアを目指せます。当社が提示する働き方について、さらに詳しく知りたい方は下記のクロスオーバーエンジニア専用ページからご確認ください。
未経験からこの仕事に就いた方の歩みを、約1分の動画にまとめました。

