ITエンジニアになるには?未経験の壁と「保全エンジニア」という手堅い選択肢

この記事では、未経験からITエンジニアを目指す際に直面する厳しい現実と、それに代わる安定した技術職の選択肢について詳しくお伝えします。

現代の不安定な社会の中で、「将来にわたって長く使えるスキルを身につけたい」「手に職をつけて、安心して働ける正社員になりたい」と考える方は年々増えています。その切実な願いを叶えるための有力な候補として、真っ先に思い浮かぶのが「ITエンジニア」ではないでしょうか。

パソコン一つで新しいシステムを作り出し、スマートに問題を解決していく働き方は非常に魅力的です。世の中の広告やインターネット上には「未経験からでも数ヶ月の学習でエンジニアになれる」といった希望に満ちた情報があふれており、自分にも挑戦できるかもしれないと期待を胸に抱くのは、ごく自然なことです。

しかし、実際にITエンジニアになるには、プログラミング言語の習得という想像以上に高く険しい壁が存在します。華やかなイメージの裏側には、見慣れない英語の羅列と格闘し、目に見えないシステムの仕組みを頭の中だけで組み立てなければならないという、初心者を容赦なく振り落とす厳しい現実が待っています。ほんの少しの入力ミスでシステムが全く動かなくなる難しさから、途中で学習を諦め、貴重な時間と自信を失ってしまう人が後を絶ちません。

そこで本記事では、公的機関などの調査データを交えながら、表向きの情報だけでは見えてこないIT業界のリアルな裏側を包み隠さず解説します。そして、プログラミングの難しさに不安を感じている方に向けて、パソコンのバーチャルな画面ではなく、実機(実際の機械)に直接触れて直す「保全エンジニア」という、より手堅く確実なプロフェッショナルへの道をご提案します。

※本記事に掲載している各種調査データや制度などの情報は、各出典元の発表時点のものです。最新の状況と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ITエンジニアになるにはプログラミング習得などの壁がある

未経験からITエンジニアとしてのキャリアを歩み始める際、最初に乗り越えなければならない最大の関門がプログラミングスキルの習得です。パソコン一つで新しいシステムを作り上げ、手に職をつけて安定した正社員を目指す方にとって、プログラミングは避けては通れない道です。

プログラミング自体は、正しい手順で論理的に考える力があれば、誰でも身につけられると言われることがあります。実際にインターネットを開けば、「たった数ヶ月の勉強で未経験からITエンジニアになれた」「場所や時間に縛られない自由な働き方を手に入れた」といった華やかな体験談や、魅力的なスクールの広告があふれています。こうしたポジティブな情報ばかりに触れていると、少しの努力さえあれば、誰もがスムーズにプロの技術者へと転身できるかのような錯覚に陥りやすくなります。

しかし実際のところ、個人のやる気や根性だけでは解決できない根深い難しさが、ITの学習過程には潜んでいます。見慣れない英語の羅列や複雑な記号のルールを暗記し、目に見えないデジタルの世界を相手に思考を巡らせる作業は、これまでパソコンの専門的な操作に触れてこなかった方にとって、想像以上に脳へ大きな負担をかけます。

良い面ばかりを強調した表向きの魅力的な情報だけを信じて安易に飛び込むと、学習を始めてすぐに分厚い壁に阻まれることになります。その結果、思い描いていた理想と現実のギャップに苦しみ、貴重な時間やお金だけでなく、「自分にもできるかもしれない」という大切な自信さえも大きく失ってしまう結果になりかねません。IT業界の華やかなイメージの裏側には、決して見過ごすことのできない厳しい現実があるのです。

独学や高額なITスクールは未経験の挫折リスクが非常に高い

ITの技術を身につけようと考えたとき、多くの人は専門書やオンラインの動画教材を使って自分で学ぶ「独学」か、数十万円の費用を払って「プログラミングスクール」に通う方法を選びます。

今の時代、学習するための教材はインターネット上にいくらでも転がっています。無料や数千円程度で始められる独学は、金銭的な負担が少ないため、多くの人が最初に選ぶ手段です。

しかし、これらの学習方法には途中でつまずいてしまう高いリスクが伴います。実際にプログラミングを学んだ経験がある人を対象にした調査では、独学での挫折率が非常に高いことが明らかになっています。

プログラミング学習の挫折率比較
独学
80%
プログラミングスクール
29%

出典)独学でのプログラミング学習挫折率は80%! プログラミングスクールは29%に|プロリア プログラミング

この調査結果から分かる通り、学習を続けるためには「分からないことをすぐに質問できる環境」「無理のない学習計画」「何のために学ぶのかという目的」の3つが欠かせません。一人で学ぶ独学ではこれらの環境を整えるのが難しいため、10人中8人が途中で諦めてしまう結果となっています。

では、なぜプログラミング学習において、すぐに質問できる環境がそれほど重要なので状況にあるのでしょうか。その理由は、プログラム特有の「目に見えない」という性質にあります。

大学の調査研究によると、プログラミング学習でつまずく原因は以下の3つが複雑に絡み合っていると指摘されています。

環境的な要因

一人で学ぶ孤独感や、教えてくれる人がいない状況

認知的な要因

形がないものを理解する難しさや、複雑なエラー表示

心理的な要因

目標を見失ったり、達成感を得られずにやる気がなくなる

出典)メディアコンテンツの制作力を育成する 情報教育プログラムの開発と実践に関する研究 – 大阪大学学術情報庫OUKA

中でも最も大きな障壁となるのが、認知的な要因です。プログラムはコンピューターに対する厳密な指示書です。そのため、記号が一つ抜けていたり、誤って空白が入っていたりするだけで、システムは全く動かなくなってしまいます。

その際に出るエラーの案内は英語や専門用語で書かれており、初心者にとっては原因を特定するだけでも一苦労です。機械の部品が壊れているのとは違い、パソコンの画面上で目に見えない論理のほころびを探し続ける作業は、想像以上に精神的なエネルギーを消費します。

分からない箇所を聞ける人がいないまま、見えないエラーと何日も格闘し続けると、「自分には向いていないのかもしれない」と自信を失ってしまいます。

独学の限界を感じて、プログラミングスクールに通う決断をする人もいます。しかし、数十万円という高額な費用を払ったとしても、すべてが解決するわけではありません。スクールのカリキュラムは進むスピードが速く、一度つまずくと授業についていけなくなることもあります。

お金を払えば自動的にスキルが身につくわけではなく、結局は目に見えないシステムを相手にする負担を自分で乗り越えなければなりません。プロのエンジニアになる前に、お金と時間を使い果たして挫折してしまうリスクは常に付きまといます。

IT業界は最新技術を追うための自己学習が負担になりやすい

もしプログラミングの学習という最初の壁を乗り越え、運良くIT企業に入社できたとしても、そこがゴールではありません。就職した後も、常に新しい技術を学び続けなければならないという現実が待っています。

IT業界は他の業界と比べて技術の進歩が非常に速く、数年前に苦労して覚えたプログラミング言語や技術が、あっという間に古くなってしまうことがよくあります。新しいシステムや便利なツールが次々と生み出されるため、過去の知識だけで働き続けることは不可能です。

そのため、仕事の時間だけでなく、自分の休日や仕事終わりの時間を使って最新の技術を学び続けなければ、エンジニアとして会社に必要とされなくなってしまいます。

出典)デジタル人材の継続的学習とキャリア形成に関する調査 報告書

会社がしっかりと研修の時間を設けてくれれば良いのですが、現実はそう甘くありません。多くの企業は日々の業務に追われており、社員教育に十分な時間を割く余裕がないのが実情です。

厚生労働省のデータにも明確に表れている通り、客先常駐や終わりのない自己学習のプレッシャーは、心身の健康に多大な悪影響を及ぼしています。以下の表が示す通り、その深刻さは全産業平均の3倍という異常な数値に達しています。

過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した従業員の割合
全産業平均
0.4%
情報通信業(IT業界等)
1.2%(全産業中最高)

出典)労働安全衛生に関する調査(2018年)

IT業界で働く人の休業割合が突出して高い背景には、他社のオフィスに出向いて働く「客先常駐」という働き方が多いことも関係しています。自社の先輩や同僚と離れ、常にお客様の厳しい目がある環境で働くため、仕事でつまずいたときに相談しづらいという問題があります。

納期に追われながら、一人でシステムの不具合と向き合い、誰にも悩みを打ち明けられないまま抱え込んでしまうケースが少なくないのです。未経験から「手に職をつけて安定したい」という思いでIT業界に飛び込むことは、入り口での学習の難しさと、入った後の終わりのない自己学習の負担という、二重の厳しい環境に身を置くことを意味します。

IT特有のバーチャルな環境ではなく実機に触れる道を選ぶ

ここまでお伝えしてきたように、ITエンジニアへの道のりには「目に見えないシステム」を扱うからこその根深い難しさがあります。形のないプログラムのほころびを、誰の助けもないままパソコンの画面上で探し続ける作業は、想像以上に孤独で、精神的なエネルギーをすり減らします。

もし、あなたが仕事を通じて叶えたい本当の目的が「絶対にIT業界で活躍したい」ということではなく、「確かな手に職をつけて、どんな時代でも必要とされる長く安定して働けるプロの技術者になりたい」ということなのであれば、ITという手段に固執せず、別の道を探るのが賢明な選択と言えます。

実は、「プロの技術者になる」という目標を叶えるための道は、IT業界だけではありません。それは、パソコン上の画面の向こう側のバーチャルな世界ではなく、実際に目で見て手で触れる実機(実際の機械)を扱う技術職を選ぶという道です。

エラーの原因が目に見えないデジタルの世界とは異なり、実機の仕事は、機械の異常音や部品の摩耗など、自分の五感を使って問題の兆候を直接感じ取ることができます。バーチャルなエラーコードとの終わりのない戦いから離れ、自分の手を動かして目の前の機械を直し、再び動かすという確かな手応えを得られる仕事。それこそが、未経験からでも着実に成長でき、長く働き続けられる手堅い選択肢なのです。

物理的な機械を扱う製造や保全のエンジニアは将来性が高い

工場などで動く物理的な機械や設備を直接扱う「製造エンジニア」や「保全エンジニア」は、形のあるものを扱うという点でITエンジニアとは対極にあります。ITエンジニアがバーチャル上でプログラムを書くのに対し、製造や保全のエンジニアは、現実の空間でモーターやセンサー、配線といった物理的な部品を相手にします。

この仕事は、現代の社会において絶対に欠かすことのできない重要な役割を担っています。製造現場の設備を守る仕事の現状を調べた報告書を見ると、この分野がどれほど必要とされているかが分かります。

出典)2024年度メンテナンス実態調査報告書

工場では新しいロボットや機械の導入が進んでいますが、それと同時に何十年も前に作られた古い設備も大切に使い続けられています。そのため、最新のシステムと古い機械の仕組みの両方を理解し、不具合が起きたときに臨機応変に直せる技術者の需要が急速に高まっています。

さらに、環境に配慮した無駄のない工場づくりが求められる今、機械が余分な電気を使っていないかを確認し、常に最適な状態に保つ保全エンジニアの役割はより一層大きくなっています。どんなにAIや自動化技術が進歩しても、最終的に機械の異常な音を聞き分け、部品のわずかな摩耗を目で見て、自分の手を使って修理を行う人間の繊細な技術は、決して機械そのものには奪われません。

実際に、仕事の探しやすさを示す国のデータを見ても、製造や設備の保守に関わる仕事は常に多くの求人があり、安定した需要があることが示されています。

出典)職業安定業務統計

需要が多く、担い手が不足している分野で確かなスキルを身につけることは、将来にわたって仕事に困らないための最も強力な武器となります。流行り廃りの激しいIT技術を追いかけ続けるよりも、ずっと着実で手堅い選択肢と言えるでしょう。

AOCはITではなく一生モノの製造技術者を育成する教育機関

ここで、私たち株式会社エー・オー・シー(AOC)の取り組みについてご紹介させてください。

私たちは、単なる人材派遣会社ではありません。AIやロボットと共存する能力を身につけ、特定の企業や業界に縛られず、あらゆる業種や分野の垣根を越えて(クロスオーバーして)活躍できる保全エンジニアを多数輩出してきた、キャリアの教育機関です。

私たちがなぜ製造分野の教育にこだわるのか。それは、地場産業を守り、働く人の雇用と生活を本当の意味で安定させるというミッションを掲げているからです。表面的な時給の高さで人を集め、不要になれば契約を切るような働き方ではなく、しっかりとした技術を身につけてもらい、どんな時代でも現場で頼られるかっこいいエンジニアになれるようサポートすることが私たちの使命です。

実機に触れ、自分の目や耳を使って原因を探り、仲間と一緒に直していく。この人間にとって自然な問題解決のプロセスこそが、途中で挫折することなく、未経験からプロの技術者へと成長するための最も確実な道だと私たちは信じています。

高い費用を払ってITの狭き門に挑むより、
給与をもらいながら「製造・保全のプロ」を目指しませんか?

一生モノの製造技術で安定した未来を築きましょう。

未経験から給与を得つつプロの技術者を目指す具体的な手順

手に職をつけるという目標を達成するために、目に見える機械を扱う保全エンジニアを目指す。その決意が固まったなら、次はその一生モノの技術をどうやって身につけるかを真剣に考える必要があります。

新しい分野に挑戦する際、学び方は人それぞれです。今の仕事を続けながら休日の時間を使って少しずつ新しいことを学ぶのか、あるいは思い切って一度仕事を辞め、専門の学校に通って集中的に学ぶのか。どちらの道を選ぶにしても、未経験からの挑戦には大きな不安がつきものです。

特に、毎月の生活費や学費といったお金の負担と、技術を習得して一人前になるまでの時間の負担は、これからプロを目指す方にとって最も重くのしかかる現実的な問題です。どれほど強い決意を持って学習を始めたとしても、生活が苦しくなったり、いつまでも結果が出ずに時間が過ぎてしまったりすると、途中で諦めてしまう原因になりかねません。だからこそ、正しい手順を踏むことが何よりも重要です。

ここからは、私たちAOCが長年エンジニアを育成してきた経験を踏まえ、お金や時間の負担をできるだけ減らし、途中で挫折することなく、未経験から確実にプロの技術者へと歩みを進めるための具体的な手順を解説します。

自分の適性を見極めパソコン作業か実機作業かを選択する

新しい仕事に挑戦する最初のステップは、世間の流行りや華やかなイメージに流されることなく、自分自身がどんな作業に向いているかを客観的に判断することです。

機械やシステムのトラブルを解決する仕事は、大きく2つのタイプに分かれます。自分の性格や得意なことに合わせて、どちらの道に進むべきかをじっくりと考えてみてください。

ITエンジニア型
  • パソコンの画面上で、目に見えない仕組みを頭の中で組み立てて直す作業
  • エラーの原因を直接見ることはできない
  • パズルを解くような思考が得意な人向け
実機(実際の機械)型
製造・保全エンジニア型
  • 物理的な機械に触れて、目に見える問題を解決する作業
  • 五感(音、振動、摩耗)を使って異常を感じ取る
  • 原因と結果がはっきりしており、納得感が高い

原因と結果がはっきりと目に見えるため、納得感を持ちながら仕事を進めることができ、不具合を直したときには目の前で機械が再び動き出すという、わかりやすい達成感を得られます。もし、一日中パソコンの前に座って見えない原因を探し続けることに窮屈さを感じるのであれば、実機の作業への適性が高いと言えるでしょう。

実機研修など自社教育体制が整った企業で実践スキルを磨く

自分の適性が実機の仕事にあると分かったら、最後にどこで技術を学ぶかを選びます。

未経験から技術を身につける方法として、国が用意している公的な職業訓練制度(ハロートレーニング)を利用する道もあります。条件を満たせば、月に一定の給付金を受け取りながら無料で授業を受けることができる、心強い制度です。

出典)ハロートレーニング-急がば学べ-

出典)求職者支援制度のご案内

しかし、この制度には気をつけなければならない点があります。訓練期間中のステータスはあくまで求職者であり、修了後に自力で就職活動を行う必要があります。

そこでおすすめしたい最もリスクの少ない方法が、入社後すぐに給料をもらいながら、会社の研修施設でプロの技術を学ぶという選択です。

私たちは、これを独自の仕組みとして「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。学費を払って学ぶ一般的なプログラミングスクールとは異なり、AOCでは雇用されながら、つまりお金をもらいながら学べるのが最大の強みです。

この教育の要となるのが、石川、福井、富山の3拠点に構える独自の研修施設「AOCテクニカルセンター(ATC)」です。ATCでは、現場経験の豊富な講師陣があなたのペースに合わせて丁寧に指導しますので、どなたでも大歓迎です。

ドライバーやレンチを使った部品の分解、配線作業から、トラブル発生時の修理まで、実際の現場で役立つ実技を安心して学んでいただけます。座学だけでなく、実際に手を動かして実感しながら進めるため、未経験の方でも無理なくスキルを身につけ、工場配属の初日から自信を持って「保全エンジニア」としての業務をスタートできます。

学費を払って将来の不安と戦いながら学ぶのではなく、最初から会社の仲間として給与を受け取り、本物の機械が揃った環境で一生モノの技術を身につける。これこそが、情報化社会の激しい変化に振り回されることなく、着実にプロフェッショナルへの道を歩むための最も手堅く、確実な手順です。

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