※本記事に掲載している情報は、記事公開時点の公的機関の発表や調査データに基づいています。制度や状況は変更される可能性がありますので、最新の一次情報もあわせてご確認ください。
目次
製造現場を支えるエンジニアは「作る」と「守る」役割に分かれる
株式会社エー・オー・シー(以下、当社)は、石川を含む北陸や東海の地場産業を支える人材サービス企業として、日々多くの求職者と向き合い、数えきれないほどの未経験者を製造現場へと送り出してきました。キャリアの相談を受ける中で、「製造エンジニアと保全エンジニアの違いがよくわからない」とご質問いただくことがあります。
工場でモノを作るプロセスは複雑で、多くの工程から成り立っています。現場を支える技術職は、いかに効率よく製品を作るかを考える「製造エンジニア」と、その生産体制を守り抜く「保全エンジニア」に分かれます。この両者が連携することで、初めて日本のモノづくりは成り立ちます。
現場のエンジニアの仕事は「生産技術」や「設備保全」など多岐にわたる
当社が多くの製造現場を支援してきた経験から言えるのは、現場のエンジニアの仕事は主に「生産技術」と「設備保全」に大別されるということです。
生産技術は、製品をたくさん、かつ効率よく作るための仕組みを整える仕事です。製品の需要を予測し、関係する部署と話し合いながら具体的な生産計画を立てます。新しい設備の導入や、作業のムダを省く改善活動を行い、製品ができるまでの時間を短縮することが求められます。
一方、設備保全は、製品を作るための機械や設備を直接メンテナンスする仕事です。工場内の機械が毎日安全に動き続けるように守ることが主な役割です。
生産技術が「システム全体を設計する」役割を持つ工場の頭脳であるのに対し、設備保全は「実際の機械に触れて直す」現場の主治医と言えます。
製造エンジニアと保全エンジニアの違いは担当する領域と業務の目的
「作る」プロセスの最適化を担う製造エンジニア(生産技術など)と、「守る」役割を担う保全エンジニア(設備保全)は、工場の円滑な稼働のために互いに支え合う関係にあります。
製造エンジニアの業務の中心は、データ分析や計画の立案など、システム全体を管理したり新しい仕組みを作ったりする仕事です。
対して保全エンジニアの目的は、機械設備を止めないこと、そして万が一止まった場合に最短で直すことです。現場で実機に触れ、五感を使って異常を察知する作業が中心となります。両者の違いを以下の表で整理します。
主な目的:
効率よく高品質に作るプロセスの最適化
業務の性質:
計画立案、データ分析、調整業務
技術の対象:
製造プロセス全体、システム
主な目的:
設備を止めない、止まってもすぐ直す
業務の性質:
現場での点検と修理の実行
技術の対象:
真空装置、産業用ロボット等の機械や設備
このように、理想の生産体制を描く製造エンジニアと、実際の現場でその体制を守り抜く保全エンジニアが揃って初めて、高い品質での量産が可能になります。
保全エンジニアは実機を使った点検と修理で工場の安定稼働を守る役割
これまで製造エンジニア全体について触れてきましたが、当社が教育機関として育成に取り組んでいるのが、設備を守る「保全エンジニア」です。
工場には多数の産業用ロボットや精密な制御装置が導入されています。たった一つのセンサーの不具合やモーターの故障が、生産ライン全体の停止を招き、大きな損失につながります。保全エンジニアは、工場の設備が安定して稼働し続けるように最前線で直接機械に触れてメンテナンスを行う、工場の主治医とも言える非常に重要なポジションです。
保全エンジニアの主な業務は点検による予防保全と修理による事後保全
保全エンジニアの業務は、大きく2つに分けられます。一つ目は点検(予防保全)です。
工場の機械や設備の故障を事前に防ぐために、トラブルが起きる前に普段から定期的に点検・メンテナンスを実施します。部品の摩耗具合を確認したり、かすかな異音を聞き分けたりして、壊れる前に対策を打ちます。
出典)設備保全における事後保全と予防保全の違い | TOPPAN
二つ目は修理(事後保全)です。突発的に機械が停止してしまった際に、図面やエラーコードから迅速に原因を突き止め、部品交換や配線修理を行ってラインを復旧させます。これらを適切に組み合わせ、設備の停止時間をできる限り減らすことが大きな役割です。
保全エンジニアはAI自動化でも代替困難で長期にわたり活かせる技術職
近年、あらゆる業界でAI技術の導入が進んでおり、デジタル化が進む中で、働く人に求められるスキルは大きく変化しています。製造現場でもデータ分析や計画立案の一部は、ソフトウェアに置き換わりつつあります。
出典)令和6年度 経済産業省デジタル関連施策について – JIPDEC
しかし、保全エンジニアが担う実機を使った作業は、AIがどんなに進化しても代わりを務めることは困難です。狭い隙間に入り込んで部品を交換したり、複雑な配線の断線をテスターで探し当てたりする手作業には、人間の技術が必ず必要です。さらに、工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。
当社が、自社で保全エンジニア用の研修制度を整えているのは、この技術を身につけてもらうことこそが、働く人の雇用と生活を安定させると信じているからです。
保全エンジニアを未経験から目指すなら研修制度が充実した環境を選ぶ
長期にわたり活かせる技術となる保全エンジニア職に、文系出身者や未経験から挑戦するのはハードルが高いと感じるかもしれません。実際、機械や設備の技術を身につけるには体系的な教育が必要です。
しかし、成人してから学校に通い直すことは、時間的にも金銭的にも大きな負担がかかります。未経験からキャリアチェンジを成功させるためには、学びの環境選びが非常に重要になります。
お金を払って学ぶスクールより給与をもらいながら学べる環境がおすすめ
ITスキルやプログラミングを学ぶために、高額な受講料を支払って民間のスクールに通う人が増えています。国が指定する講座であれば、教育訓練経費の一定割合が支給される仕組みは国によって整備されています。
出典)専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内 – 厚生労働省
一方、当社がおすすめするのは、当社の正社員として雇用され、給与をもらいながら専門技術を学ぶという選択肢です。生活の基盤を安定させた状態で学習に専念できるため、着実にスキルを身につけることができます。
私たちは「実務×スクール育成制度」と呼ぶ実践的な教育カリキュラムを提供
当社は、誰もがプロフェッショナルな保全エンジニアになれる教育機関としての役割を担っています。未経験の方でも安心して長く活かせる保全技術を学べるよう、私たちは「実務×スクール育成制度」と呼んでいる独自の仕組みを整えています。
この制度は、当社の正社員として入社いただき、お給料を受け取りながら専門の研修施設でしっかりと技術を学ぶことができる仕組みです。
当社が育成を目指しているのは、特定の分野だけでなく、さまざまな業界で活躍できるエンジニアです。当社ではこのような人材をクロスオーバーエンジニアと呼んでおり、変化の激しい時代でも生き残れる安定したキャリアの形成を支援しています。
AOCテクニカルセンターは石川、福井、富山、愛知の4拠点で実践スキルを習得
当社の実務×スクール育成制度の中核となるのが、自社で運営する専用の研修施設「AOCテクニカルセンター(ATC)」です。
ATCは、石川、福井、富山の3拠点に展開しています。座学だけでなく、実際の製造現場に近い環境で着実に技術を磨けるのが大きな強みです。
実機を使用して長期にわたり通用する専門技術を身につける
ATCの最大の特徴は、現場で実際に使われている実機を多数保有していることです。教科書で学ぶだけでなく、本物の機械に触れ、自分の手を動かしながら技術を習得していきます。
研修では、半導体製造で不可欠な真空装置の分解や組み立て、シーケンス制御機器を用いた配線作業やトラブルシューティングなどを学びます。これらの技術は特定の会社だけで使えるものではありません。
機械が存在するあらゆる工場で求められる普遍的な専門技術です。未経験からのスタートは最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、経験豊富な講師がしっかりと寄り添い、未経験からでも現場で活躍できるエンジニアへと成長できます。
石川県および北陸地方は今まさに半導体産業の再興とも呼べる活況のエリア
ATCがある北陸地方は、日本のモノづくりを支える強固な産業基盤を持っています。特に石川県および北陸地方は、今まさに半導体産業の再興とも呼べる活況を見せています。
半導体工場だけでなく、富山県の製薬産業、福井県の高機能繊維産業、愛知県の自動車産業など、世界的に競争力を持つ工場が多数存在します。
最先端の生産設備が次々と導入されるこれらのエリアでは、高度な保全技術を持つエンジニアの需要が高まっています。成長産業が集積する地域で技術を磨くことは、将来の安定したキャリアを築く上で非常に有利な選択です。
家電付きの完全個室寮を多数完備しており初期費用無料で即日入居が可能
遠方から移住して挑戦したいという方のために、当社では生活環境のサポートにも力を入れています。工場・製造業系に強い当社のネットワークを活かし、生活家電付きの完全個室寮を多数完備しています。
敷金・礼金が不要で、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電も揃っているため、初期費用を大幅に抑えることができ、必要最低限の荷物で新生活を始められます。同じ収入でも首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、自由に使えるお金が多くなります。
また、当社の寮はマンションタイプのワンルーム寮のため、プライバシーが守られます。
未経験から、長期にわたり活かせる技術職(保全エンジニア)を目指したい方は、ぜひ当社の育成カリキュラムをご確認ください。
詳しいサービス内容や募集要項は、以下の関連リンクよりご覧いただけます。
エンジニアの働き方に関するよくある質問に回答
エンジニアという職種に興味を持っても、本当に自分に務まるのか、どのような基準で評価されるのか不安に思う方は少なくありません。
ここでは、未経験からエンジニアを目指す方から寄せられるよくある質問にお答えします。当社の考え方や研修の方向性を知る参考にしてください。
文系出身の未経験者でも現場で活躍できるエンジニアへ成長できますか?
はい。文系出身であったり、工場での勤務経験が全くても問題ありません。機械の仕組みに興味があり、直せるようになりたいという目的意識があれば、立派なエンジニアへと成長することが期待できます。
当社では、応募者が過去の困難にどう対処したかや、どのような姿勢で業務に取り組むのかを重視しています。現在の知識量よりも、技術を身につけたいという熱意を採用判断の基準としています。
コミュニケーションが生産効率を左右しますので、周囲と協力して物事を進められる姿勢も大切です。当社が目指すのは、皆さんがエンジニアとして胸を張って活躍できるよう育成することです。
ATCの研修で機械保全技能士の資格取得を目指せますか?
専門的な技術を身につけた証として、資格取得はキャリアの大きな強みになります。ATCのメカトロ訓練装置研修では、国家資格である機械保全技能士の取得を見据えたカリキュラムを構成しています。
機械の保全に必要な技能や知識は製造現場において高く評価されます。機械保全技能士は、働く人の技能レベルを国が証明する国家資格です。
資格という目に見える資産を得ることで、配属先の企業に対しても現場で活躍できる人材として貢献できます。長期にわたり活かせる技術と資格を手に入れ、長く求められ続けるエンジニアを目指してみませんか。

