こんにちは!エーオーシーの人材開発室です。
私たちはお仕事を通して、人生を変えたい・豊かにしたいと考えている皆さんを全力サポートする会社です。
今回は「工場勤務の人ができる熱中症対策」についてお伝えしたいと思います。
夏になると毎年のように「異例の猛暑」が記録されます。2025年の夏も例外ではなく、各地で気温35度を超える猛暑日が続き、屋外はもちろん、屋内でも熱中症のリスクが大きく高まっています。
中でも注意が必要なのが「工場や倉庫で働く人たち」です。高温多湿の環境にさらされることが多く、熱中症のリスクが高い職場といえます。本記事では、なぜ工場で熱中症が起こりやすいのか、その対策としてできることを紹介していきます。
年々厳しくなる夏の暑さ

近年の日本は、夏の気温が年々上昇傾向にあります。2025年の夏も、全国各地で危険な暑さが続いています。
このような気象状況の中で増加しているのが熱中症です。熱中症とは、高温多湿な環境下に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなったり、体内の水分や塩分(電解質)のバランスが崩れたりして起こる身体障害の総称です。
特に屋内でも気温が上がりやすい工場や倉庫では、熱中症のリスクが高く、労働者の健康と安全を守るための対策が、企業にとって課題となっています。
なぜ工場で熱中症が起こりやすいのか
工場や倉庫などの現場では、以下のような理由から熱中症のリスクが高まる傾向があります。
・作業スペースが広く、天井が高いため冷房効率が悪い
・屋根や外壁に金属の建材が使われていると、直射日光で温められて室温が上昇する
・熱や蒸気を発する設備(炉・機械など)がある
・風通しが悪く、熱がこもりやすい構造になっている
・搬入口が常に開けてある場合、冷気が屋外に逃げてしまい室温が下がらない
・厚手の作業服や保護具の着用によって、熱が体内にこもりやすい
・長時間の体力作業により、体温が上昇する
このように、工場や倉庫は構造上・作業上の理由から「高温多湿になりやすく、熱がこもりやすい」環境であり、熱中症の発症リスクが非常に高いのです。

熱中症対策の義務化
2025年6月には労働安全衛生法が改正され、職場での熱中症対策が義務化されました。
対象となる作業環境
「暑さ指数(WBGT)28度以上、または気温31度以上」の環境下で
「連続1時間以上、または1日4時間を超えて実施する」作業がある場合
事業者に義務付けられる対策
・熱中症が疑われる作業者がいたときに、速やかに報告できる体制の整備
・応急処置や医療機関への搬送など実施手順のマニュアル作成
・報告体制、実施手順について関係作業者への周知
企業も熱中症対策を導入している
企業としても、熱中症を未然に防ぐために作業環境の整備を積極的に進めています。以下は、工場で導入されている熱中症対策の一例です。
・屋根に遮熱シートを敷設したり、遮熱塗料を塗装したりする
・屋根用スプリンクラーを設置し、散水により温度を下げる
・スポットクーラーで部分的に冷却する
・大型扇風機で風を送る
・間仕切りを設置し、冷気が逃げないようにする
個人でできる熱中症対策

企業による設備対策と並んで、作業者一人ひとりが行うセルフケアも非常に重要です。ここでは、個人でできる熱中症対策をご紹介します。
こまめな水分・塩分補給
水分補給は熱中症対策の基本です。のどの渇きを感じた時にはすでに脱水症状になっている可能性があるので、のどが渇く前にこまめに水分補給をすることが重要です。
たくさん汗をかいたときは塩分も補給する必要があります。スポーツドリンクなら塩分(電解質)と共に、作業で消耗したエネルギーも補給できます。ただし飲みすぎは糖分の過剰摂取になってしまうので注意しましょう。
冷却グッズの活用
熱中症を予防するグッズを活用するのも効果的です。
空調服:ファン付きで風を循環させる作業着
クールベスト:保冷剤を入れるポケットがついたベスト
ネッククーラー:首元を冷やし、体感温度を下げるアイテム
冷却タオル:水に濡らして絞り、軽く振ると冷たくなる
接触冷感・吸汗速乾素材のインナーを着用する
接触冷感素材を使用したインナーは、肌に触れるとひんやり感を得られるのが特徴で、体感温度を下げることができます。 汗を素早く蒸発させる吸汗速乾機能を合わせ持っているものがおすすめです。
体調管理を徹底する
体調不良のときは体温調節機能がうまく働かないことがあり、熱中症になりやすくなります。そのため、日々の体調を把握することが予防につながります。体調が悪いときは、無理をせず休息をとるようにしましょう。
また、疲労や睡眠不足、食生活の乱れは熱中症のリスクを高めます。十分に睡眠をとる、1日3食きちんと食べるなど、規則正しい生活を心がけることが大切です。アルコールの摂りすぎは脱水症状を招くため、前夜の飲酒は控えめにしましょう。
まとめ

工場や倉庫で働く人にとって、熱中症は日常の業務の中に潜む重大な健康リスクです。2025年からの法改正により、事業者は熱中症対策を講じる義務を負うようになりましたが、職場の安全は企業と働く人が一体となって取り組むことで実現されます。
熱中症は予防が何よりも重要です。個人でも対策をしっかり行い、今年の猛暑を乗り越えましょう。
以上で、「工場勤務の人ができる熱中症対策」についてお伝えいたしました。 皆様のお役に立てたらうれしい限りです。ぜひ、引き続きよろしくお願いします。
