無期雇用派遣のデメリットとは?後悔しないための対策と会社選びのポイント

将来の働き方を考える中で、「無期雇用派遣」という働き方に出会うこともあるかもしれません。しかし、インターネットで調べると「やめとけ」「後悔する」といった声も目に付き、不安を感じる方は少なくありません。就職した後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、無期雇用派遣の仕組みや特有のデメリットを正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、無期雇用派遣における具体的なデメリットを事実に基づいて分かりやすく解説します。その上で、懸念されるデメリットをどのように回避し、ご自身のキャリア形成に有益な会社を選べばよいのか、具体的な対策と判断基準をお伝えします。

※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。

目次

無期雇用派遣のデメリットとは?就業前に知るべき4つの注意点

無期雇用派遣とは、働く人が派遣会社と期間の定めのない雇用契約(無期限の契約)を結び、派遣会社の社員(正社員や契約社員など)として、派遣会社から指定された別の企業(配属先)に赴いて仕事をする働き方です。

一般的な登録型派遣のように「仕事がある期間だけ契約する」のではなく、派遣会社に社員として雇用されるため、配属先での業務が終了しても派遣会社との雇用関係は継続し、安定して働けるという仕組みです。

一方で、その仕組みならではの注意点も存在します。ここでは、事前に把握しておくべき4つの事実を解説します。

配属先や業務内容を自分では自由に選べない場合がある

無期雇用派遣の大きな特徴は、配属先の決まり方にあります。

登録型派遣(派遣先で働く期間だけ雇用契約を結ぶ、一般的な派遣)の場合、提示された求人の中から自分の希望する勤務地や仕事内容を選び、その都度契約を結びます。

これに対して無期雇用派遣は、派遣会社の社員として採用されるため、会社の就業規則や業務命令に基づいて配属先が決定されます。

そのため、「どうしてもこの職場で、この仕事がしたい」という個人の希望が必ずしも通るとは限らないという事実があります。雇用が安定する分、仕事を選ぶ自由度は登録型派遣と比べて下がるという仕組みを理解しておく必要があります。

特定の工程を繰り返す業務になり、専門的な技術が身につきにくい場合がある

配属先の環境によっては、決まった手順を繰り返す業務を担当する場合があります。同じ作業の繰り返しが多くなる環境では、新しい技術や専門的な技術を習得する機会が少なくなり、将来にわたって活かせるスキルを身につけることが難しくなる場合があります。

厚生労働省の調査においても、有期雇用など正社員として雇用されていない労働者に対する教育訓練の実施割合は、正社員と比較して低い水準にとどまっているという事実が示されています。

就業前に実機(実際の機械)を使った研修が適切に行われない会社に入ってしまうと、現場での実践的な技術を身につけることが難しくなるケースがあります。

出典)令和5年度能力開発基本調査…- 厚生労働省

一般的な正社員と比較して昇給の幅やボーナスが限定的になる場合がある

給与体系についても、知っておくべき傾向があります。

労働者派遣法に基づく「同一労働同一賃金」の原則により、派遣会社は派遣労働者の公正な待遇を確保する義務があります。

しかし、無期雇用派遣の給与は、あくまで所属する「派遣会社」の給与規定に基づいて決まります。そのため、配属先企業の正社員と全く同じ待遇になるわけではありません。派遣料金の中から、社会保険料などの法定福利費や教育訓練費などが引かれる事業構造のため、昇給の幅やボーナスは限定的になる場合があります。

ただし、これは企業の業績の波に左右されにくく、安定した固定給が継続的に支払われる仕組みという側面もあります。また、深夜(22時から翌5時まで)に勤務した場合は、法令通り25%以上の割増賃金が支払われるなど、各種手当が加算されることで手取り収入が増える可能性があります。

出典)派遣労働者の同一労働同一賃金について- 厚生労働省

派遣先が決まらない「待機期間」中の給与が減額される場合がある

現在の派遣先での仕事が終わり、次の派遣先が決まるまでの期間を「待機期間」と呼びます。無期雇用派遣の場合、この待機期間中も派遣会社との雇用関係は続きます。

労働基準法第26条の規定により、会社側の都合(次の派遣先が見つからない等)で労働者を休業させた場合、会社は休業期間中、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務があります。

これは収入がゼロになる事態を防ぐための法律上のルールですが、給与の全額ではなく、一定割合に減らされて支給されるケースがあるという点に注意が必要です。次の仕事が決まらず待機期間が長引いた場合、手取り収入に影響が出る可能性があります。

出典)休業手当の計算方法 – 厚生労働省

無期雇用派遣と登録型派遣のデメリット・メリットを比較

自分に合った働き方を選ぶためには、有期雇用である「登録型派遣」と「無期雇用派遣」の違いを客観的に比較することが役立ちます。

登録型派遣は自由度が高い分、雇用の不安定さと収入の波がデメリット

登録型派遣は、働く期間や職場を自分のライフスタイルに合わせて選べる自由度の高さが特徴です。

しかし、労働者派遣法による「派遣期間制限」により、同じ派遣先の同じ部署で3年を超えて働き続けることは原則として禁止されています。

そのため、最長でも3年で職場を変えなければなりません。また、契約終了後に次の仕事がすぐに決まらないリスクがあるほか、時給制で働くことが多いため、収入が変動しやすいという特徴があります。

無期雇用派遣は自由度が下がる代わりに雇用の安定が期待できる

一方、無期雇用派遣は仕事を選ぶ自由度は下がりますが、前述の「3年ルール」の対象外となります。

派遣先での就業期間が終わっても、派遣会社との雇用関係は続くため、収入が途絶えにくく、雇用の安定が期待できる点が大きな利点です。

比較項目
登録型派遣(有期雇用派遣)
無期雇用派遣
派遣元との雇用契約
派遣先での就業期間のみ(有期)
期間の定めなし(無期)
就業先の選択自由度
相対的に高い(案件ごとに選択)
会社の指示による(裁量は限定的)
個人単位の期間制限
あり(原則3年が上限)
なし(適用除外として長期就業可能)
待機期間の収入状況
契約終了に伴い無収入となる
雇用継続により給与または休業手当が支給
給与の支払い形態
時給制が多く、稼働日数で変動
固定給(月給制)が多く、比較的安定

出典)派遣で働く皆様へ 期間制限ルール… – 厚生労働省

働き方の不安を解消する会社選びの基準と「正社員雇用」という選択肢

「技術習得の停滞」や「待機期間中の収入減」といった働き方の不安を解消するためには、所属する企業の事業方針や教育体制をしっかりと見極めることが重要です。ここでは、会社選びの具体的な判断基準とともに、派遣という枠組みにとらわれない「正社員雇用」という選択肢についてお伝えします。

懸念されるデメリット
会社選びのチェックポイント
専門技術が身につかない
実践的な研修制度があるか
キャリアアップの道筋が見えない
成長産業を見据えた教育方針があるか
待機期間中の収入が不安
待機中も雇用と給与を安定させる明確な方針があるか

実践的な研修制度があり、長期的なキャリア形成を支援しているか確認する

専門的な技術が身につかないという事態を防ぐためには、入社後にしっかりとした研修環境が用意されている会社を選ぶことが大切です。

私たちが提示する選択肢として、当社の正社員として入社し、実機(実際の機械)を使っての研修を経て技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方があります。これを当社では「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。

当社のATC(AOCテクニカルセンター)では、実際の製造現場と同じ実機を使用した長期研修を実施しています。プログラミングスクール等でお金を払って学ぶのとは異なり、研修期間中も給与が支給されるため、経済的な負担を抑えながら、機械保全技能士2級レベル相当の技術習得を目指すことができます。

こうした実践的な研修施設の有無は、技術者の育成に真摯に取り組んでいる企業を見極めるための分かりやすい指標となります。

成長産業と連携し、キャリアアップの道筋となる方針があるか調べる

どのような産業分野をターゲットにしているかも、将来のキャリアを左右します。工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。機械は自律的に故障を修復できないため、必ず人間の手によるメンテナンスを必要とします。

当社では、需要が見込まれる成長産業に特化したカリキュラムを提供しています。石川ATCでは半導体製造に欠かせない真空装置の研修、富山ATCでは医薬品製造、福井ATCでは電子・自動車部品や繊維工業、そして愛知ATCと、地域の特性に合わせた技術教育を実施しています。成長産業と連携した方針を持つ企業を選ぶことは、将来にわたって活かせる技術を身につけることにつながります。

待機期間中の雇用や給与の安定性を方針として掲げているかチェックする

待機期間などの外部要因に左右されず、雇用と給与が安定しているかを確認することも大切です。

当社では「地場産業を守り、技術者の雇用を安定させること」を経営の方針として掲げ、当社の正社員として安心して働ける環境を整備しています。社員を大切な資本として捉え、雇用の維持に向けた明確な方針を持つ会社を選ぶことで、将来への不安を軽減することにつながります。

【AOCで長く活かせるエンジニア技術を身につけませんか?】

当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリアの道筋については、以下のページにてご確認いただけます。

AOCの正社員というメリットを活かした働き方

労働環境や教育体制が整った企業を選ぶことで、長期的な視点でキャリアを築くことができます。そこで、当社の正社員として雇用され、現場で機械を修理・調整する保全エンジニアとして働く特徴をお伝えいたします。

雇用期間の制限がなく、長期にわたり安定して働くことができる

当社の正社員として雇用されるため、有期雇用のような期間の定めに縛られず、同じ職場で継続して働き続けられることは大きな利点です。長期間にわたり同じ業務環境で経験を積むことで、機械や設備の構造、メンテナンスのノウハウを深く理解することができます。業務の習熟度が高まることで、現場でより重要な役割を任される可能性が広がり、安定したキャリアの基礎を築くことが期待できます。

未経験からでも段階的に技術を学び、現場で活躍できる人材を目指せる

意欲のある方にとって、こうした働き方は新たなキャリアへの入り口となります。

製造現場でのオペレーター業務などの経験を持つ方は、その現場経験を活かして段階的に保全技術を学ぶことができます。また、営業や接客業などで培ったコミュニケーション能力は、現場でのスムーズなやり取りやチームでの作業において強みになります。学生時代にチームで協力した経験なども、活かすことができます。

様々な業界で活躍できる保全エンジニアを、当社では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。未経験の方でも、基礎研修と実機を用いた専門研修を積み重ねることで、現場で頼られる保全エンジニアへと成長できる環境を整えています

働き方に関するよくある質問

最後に、働き方を検討する際によくある疑問について、客観的な事実に基づいて回答します。

Q.無期雇用派遣はやめとけと言われる理由は?
A.主に、就職前の期待と実際の労働環境との間に生じるミスマッチが原因です。「希望の仕事に就けない」「特定の工程ばかりで専門技術が身につかない」といった状況に直面した際、不満につながりやすくなります。これらの懸念は、実機を備えた本格的な研修施設を有し、社員のキャリア形成を支援する方針を持つ企業を慎重に選ぶことで、回避しやすくなります。

Q.将来的に派遣先で直接雇用される可能性はあるの?

A.派遣契約の期間満了後に、派遣先の企業の社員として直接雇用へと移行できる法的な仕組みが存在します。労働者派遣法に基づく「雇用安定措置」では、派遣先への直接雇用の依頼などが定められています。

厚生労働省のデータによれば、第1号措置(派遣先への直接雇用の依頼)が実施された対象者のうち、一定割合が実際に派遣先で雇用されている事実があります。

講じた措置の内容
対象者に対する実施人数
措置後の結果
第1号措置(派遣先への直接雇用の依頼)
67,887人
うち、派遣先で雇用された者: 27,803人
第2号措置(新たな派遣先の提供等)
585,483人
第3号措置(派遣元での無期雇用)
12,270人
第4号措置(紹介予定派遣・教育訓練等)
59,518人
うち、紹介予定派遣を実施した者: 4,362人

出典)雇用安定措置の実績(令和6年度)- 厚生労働省

Q.自分でGoogleなどに検索して優良企業を見分ける方法は?

A.企業のホームページを確認する際は、客観的な指標に注目することが有効です。

厚生労働省が委託する機関が厳しい基準で審査を行う「優良派遣事業者認定制度」の認定マークを取得しているかは、コンプライアンスや労働環境が整っているかを判断する一つの基準となります。

また、研修内容の説明において、「実機」を使用した設備が具体的に紹介されているかどうかも、実践的な教育を行っている企業を見分けるための重要なポイントです。

出典)優良派遣認定の基準 – 優良派遣事業者認定制度

当社も各種事業を展開する中で、適正な労働環境を提供する企業としての客観的な指標となる「優良派遣事業者」などの認定を取得しております。

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充実した研修制度と安定した雇用で、新しい一歩を踏み出すあなたをお待ちしています。