「未経験から電子部品業界へ転職できるのだろうか」と不安に思うかもしれませんが、福井県においては十分に目指せる選択肢です。現在の製造現場では、少子高齢化やベテラン技術者の引退による人手不足が大きな課題であり、未経験の方を新しく育てて迎え入れる動きが活発になっています。
そのため、経験者だけを採用するのではなく、未経験者を採用して入社後にしっかりと育てる企業が増えています。
エー・オー・シー(以下、当社)がおすすめする選択肢として、基礎から知識を学び、さまざまな業界で活躍できる「クロスオーバーエンジニア」を目指す道があります。本記事では、福井県の電子部品業界の仕事内容や、未経験から挑戦するメリット・デメリット、自分に合った求人の選び方について詳しくお伝えします。
※本記事に記載されている労働関係法令や割増賃金、各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。
目次
福井県の電子部品業界は未経験からの転職を受け入れている
現在の日本は少子高齢化による人手不足に直面しており、製造業においてもベテラン層の引退による技術の継承が大きな課題となっています。経済産業省などがまとめた「ものづくり白書」によると、製造業の就業者数は長期的には減少傾向にあり、就業者全体に占める高齢者の割合も高まっていることが示されています。こうした背景から、即戦力となる経験者の採用だけに頼るのではなく、未経験者を採用して入社後に育成する方針へ切り替える企業が増えています。
出典)2026年版ものづくり白書(概要) – 経済産業省ほか
福井県内の公的データからも、人手不足の状況が読み取れます。厚生労働省福井労働局の発表によると、福井県の有効求人倍率は高い水準にあります。新規求人数も増えており、仕事を探している人よりも求人数が多い状態が続いています。
出典)雇用失業情勢(令和8年4月分) – 厚生労働省福井労働局
福井県において、電子部品・デバイス産業は主要な産業の一つです。福井県が発表した調査では、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の出荷額などが3,792億円にのぼりました。これは県内の製造業全体の14.3%を占めています。
また、付加価値額でも県内上位であり、全国平均と比べても高い割合を占めていることから、福井県内で重要な産業であることが示されています。
出典)経済構造実態調査(製造業事業所調査)結果の概要 – 福井県
電子部品製造に関わる未経験向けの主な仕事内容
設備の操作や製品の目視チェックを行うオペレーター業務
電子部品の製造現場で未経験者が担当しやすいのが、オペレーター業務です。決められた手順に沿って機械を動かし、製品の加工や組み立てを進めます。また、完成した部品に問題がないかを目で確認したり、専用の機械で検査したりする仕事もあります。現場では、整理や整頓といった「5S」など、製造業の基本を実際の仕事を通じて学べます。
これらの業務は生産のペースを保つため、日勤と夜勤を交代で行うシフト制が多い傾向にあります。
機械の不具合を予防・修理する設備保全エンジニア業務
工場の機械化が進むなか、設備を管理・修理する「設備保全エンジニア」の役割が大きくなっています。工場内の機械がいつでも正常に動くように点検や調整を行い、機械が止まる時間を減らす大切な仕事です。
さまざまな業界で活躍できる保全エンジニアを、当社では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。意欲のある方を歓迎しており、専門的な技術を持つ人材の育成を進めています。
設備保全の仕事は、大きく分けて「予防保全」と「事後保全」があり、最近では「予知保全」という考え方も増えています。
予防保全は、機械が壊れる前に定期的な点検や部品交換を行い、トラブルを未然に防ぐ活動です。事後保全は、機械が故障してから修理や部品交換を行う活動で、素早い対応が必要とされます。予知保全は、センサーなどで機械の状態を定期的に確認し、壊れそうなタイミングを見計らってメンテナンスを行う新しい手法です。設備保全エンジニアは、これらの方法を組み合わせて工場を支えています。
定義と目的:故障を事前に防ぐため、トラブル発生前に定期的に点検・メンテナンスを実施する活動
特徴:定められたスケジュールやルールに基づいて実施(定期保全・計画保全)。トラブルの回避を目指す。
定義と目的:設備に故障や不具合が発生してから、修理や交換などの対処を行う活動
特徴:トラブルが起きるまでは実施しない。発生後の迅速な復旧能力が必要とされる。
定義と目的:センサー等で設備の状態を監視し、故障の予兆を検知したタイミングで実施する活動
特徴:状態基準保全とも呼ばれ、適切なタイミングでの対応により設備管理をサポートする。
福井県の電子部品業界で、未経験から保全エンジニアに挑戦するメリットとデメリット
メリットは安定した仕事が見込まれ、将来にわたって活かせる技術を身につけられること
電子部品は、スマートフォンや自動車、家電など、様々な製品に使われています。そのため、特定の製品の売れ行きに左右されにくく、業界全体として安定した仕事が見込まれます。
機械のメンテナンスや修理といった保全エンジニアの仕事は、人間の判断が必要となる職種です。手作業での部品交換や細かい調整などは人間が行う必要があります。工場が自動化されてロボットが増えるほど、そのロボットを維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。機械を扱う技術は、将来にわたって活かせる専門的な技術です。
また、福井県などの地方都市では、同じ収入でも首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、負担軽減につながります。就業にあたって、生活家電付きの単身寮などが用意されている求人もあり、新生活を始めやすい環境が整っています。
デメリットは専門的な技術や知識を身につけるまでに時間がかかること
デメリットとしては、専門的な技術や知識を身につけるまでに時間がかかる点が挙げられます。現場では専門用語が多く使われるため、最初は業務の内容を理解するのが難しいと感じることもあります。
具体的には、図面の見方、計測器の使い方、安全に作業するためのルール、工具の正しい使い方など、覚えるべき基礎知識がたくさんあります。実際の現場で機械の仕組みを理解し、身につけるためには、知識を実務に結び付けながら地道に学び続けることが必要です。
未経験から福井県で電子部品の求人を選ぶ際の重要な基準
基礎から実機(実際の機械)で学べる研修施設や教育制度があるか確認する
未経験から転職する際の重要な判断基準は、入社前の教育制度が整っているかどうかです。座学だけでなく、実際に現場で使う実機(実際の機械)に触れて学べる環境があると、入社後のギャップを減らすことにつながります。
当社の「ATC(AOCテクニカルセンター)」などでは、機械の制御や装置について学ぶ研修を行っています。数ヶ月かけて、保全エンジニアを目指して、機械を調整する技術などを基礎から身につけます。雇用され給与をもらいながらこれらの実践的な技術を学べる仕組みであり、当社ではこの枠組みを『実務×スクール育成制度』と呼んでいます。
具体的な研修の流れは以下の通りです:
基礎・安全
安全に働くためのルールや、整理・整頓など品質管理の基礎を学びます。
- 主な内容:5S+3定、QC7つ道具、安全教育、KYT
- 身につく技術:現場での安全確保、品質管理の基礎
電気の基礎
電気の基本や、機械を動かすための回路作りを実機を使って練習します。
- 主な内容:電気シンボル理解、回路図作図、自己保持回路・タイマー回路の作成
- 身につく技術:有接点シーケンス制御、テスターを用いた配線・トラブルシューティング
専用装置の取り扱い
電子部品を作るための専用装置(真空装置など)の点検や部品交換の基礎を習得します。
- 主な内容:装置の立ち上げ、チャンバーメンテナンス、真空漏れ検査、ポンプ交換
- 身につく技術:半導体・電子部品製造設備に特化した真空技術の取り扱い
機械の調整
図面の読み方や精密な測定器の使い方を学び、訓練用の装置を使って機械の分解・組み立てを行います。
- 主な内容:精密測定器の使用、チェーン・ベルト駆動部の分解・組立、センサー調整
- 身につく技術:メカトロ訓練装置を用いた機械要素の調整技術、図面読解
当社の働き方は、AOCの正社員として入社し、実機(実際の機械)を使っての研修を経て経験を積みながら技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せます。
福井県での電子部品・未経験転職に関するよくある質問
Q.文系や異業種出身でも電子部品のエンジニアになれますか?
学ぶ意欲があれば、文系や未経験からでも十分にエンジニアとして現場で活躍できる人材への成長が期待できます。現場で大切になるのは、入社前の専門知識よりも、トラブルにしっかり向き合う姿勢や、図面と機械を見比べながら構造を理解していく着実な取り組みです。
当社でも、文系出身者やサービス業出身者が専門的な技術の研修を経て、現場で活躍しています。コミュニケーション能力は現場でも強みになります。
Q.入社後の研修期間中は給与が支払われないのでしょうか?
研修期間中の給与については、労働基準法で定めが置かれています。会社から参加を義務付けられている研修は「労働時間」として扱われます。そのため、会社は最低賃金以上の給与を支払う義務があり、「研修中は無給」とするのは法律違反です。
具体的な給与や手当の金額は会社によって違うため、応募前に募集要項を確認することが大切です。
当社の場合は、石川、福井、富山の3拠点にあるATCという研修施設(※現在、愛知エリアにも研修施設の増設を予定しています。)での1.5ヶ月の研修中もAOCの正社員としての雇用契約を結んでおり、給与が支給されます。これにより、生活の不安を軽減し、技術を身に付けることに集中することが可能です。

