「事後保全」の仕事について調べると、「きつい」「大変そう」といった声を目にすることがあります。
この記事では、事後保全の具体的な仕事内容や、予防保全との違い、そして未経験からでも挑戦しやすい環境について、わかりやすく解説します。
※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。
目次
事後保全の仕事はトラブル発生時に設備を修理・復旧する役割
事後保全とは、機械や設備が故障して正常に動かなくなったあとに、修理や部品交換を行って元の状態に戻す保全の方法です。たとえば、工場の機械が急に止まってしまったとき、原因を調べて部品を交換し、また動くようにする作業が事後保全にあたります。実際に故障や停止が起きたときに対応する、という考え方に基づいています。突然のトラブルに対応する保全は、製造現場を安定して動かし続けるうえで欠かせない役割を担っています。
機械や設備のトラブルシューティングが中心
事後保全の現場での具体的な仕事は、突然の故障に対する素早いトラブルシューティングが中心です。保全エンジニアは、設備が止まったときのエラーコードの確認をはじめ、制御盤内の配線の断線チェック、各種センサーの感度調整、消耗部品の交換などを行い、トラブルの原因を見つけて取り除く作業を担当します。

機械を分解して確認し、組み立てて調整するといった、手を動かす作業能力が重視されます。ノギスやマイクロメーター、トルクレンチといった工具や測定器の正しい使い方を身につけ、ねじのサイズやトルクの管理、空気圧機器の調整、チェーン駆動部やベルトコンベヤの状態確認や調整など、幅広い専門技術が必要です。未経験の場合、こうした工具の名前や使い方を覚えるだけでも大変ですが、一つずつ身につけていくことで対応できる範囲が広がっていきます。
予防保全との違いはトラブルの「前」か「後」かにある
設備の保全方法には、事後保全と比べられる「予防保全」という考え方もあります。この二つの大きな違いは、点検や修理を行うタイミングがトラブル発生の「前」か「後」かという点です。たとえば、部品が壊れる前に定期的に交換するのが予防保全、壊れてから直すのが事後保全とイメージすると分かりやすいでしょう。
事後保全の仕事が「きつい」とされる背景
突発的な故障対応により最初は戸惑うこともある
事後保全でもっとも大変なのは、設備が止まるタイミングを予測できない点です。工場の生産ラインなどで設備が急に止まると、生産計画の遅れや納期の遅れにつながり、会社に大きな損失を与えることもあります。
そのため事後保全を担当するエンジニアには、起きたトラブルの状況をすぐに把握し、被害を最小限に抑えるための素早い判断と的確な修理対応が必要です。経験がないうちは、原因がわからないエラーコードや複雑な配線を前にして、早く設備を直さなければというプレッシャーから、大変だと感じたり戸惑ったりすることもあります。ただし、こうした対応は一人で抱え込むものではなく、先輩エンジニアや周囲のメンバーと協力しながら進めていくのが一般的です。
深夜勤務や交代制の現場では体調管理が重要になる
自動車や半導体、製薬などの大きな工場や、インフラに関わる施設では、24時間体制で動き続けているところが多くあります。そのため、事後保全を担当するエンジニアの働き方には、交代制勤務や夜勤が含まれることがあります。勤務時間によって睡眠の時間帯が変わることもあるため、意識して休息をとり、生活リズムを整えることが体調管理のポイントです。
また、労働安全衛生法に基づき、深夜業を含む業務に常時従事する労働者には、6か月に1回の健康診断を実施することが会社に義務付けられています。体調に不安があるときは、こうした健康診断の機会も活用しながら、無理のない働き方を続けることが大切です。
労働基準法に基づき、22時から翌5時までの勤務に対しては25%以上の割増賃金が支払われます。さらに、法定労働時間を超える残業が深夜の時間帯にかかった場合は、残業分の割増(25%以上)と深夜分の割増(25%以上)が合わさり、あわせて50%以上の割増賃金が支払われる仕組みです。
出典)労働基準法(e-Gov法令検索)
出典)労働安全衛生法(e-Gov法令検索)
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未経験から事後保全に挑戦する魅力と将来性
製造現場の省人化が進むほど保全技術者の需要は高まる
日本の製造業では、若い働き手が減っている一方、熟練の技術者の引退によって技術が受け継がれにくくなっていることが課題です。多くの企業が、IoTセンサーによる設備稼働状況の見える化や、AI画像解析、産業用ロボットの導入など、業務のデジタル化・省人化を積極的に進めています。
しかし、工場の自動化やロボット導入が進めば進むほど、それらの自動化設備を維持し、故障のときに修理や点検を行うエンジニアがより多く必要になる、という一面もあります。自動化が進むほど、「機械を直せる人」の重要性が高まっていきます。
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専門技術を磨くことで現場から頼られるエンジニアになる
事後保全の現場で身につく技術は、特定の会社や特定の機械だけに使えるものではなく、製造業全般に共通する技術に基づいています。保全エンジニアは、テスターやクランプメーターを使った電気回路図面の読み取りと測定、有接点シーケンス制御での自己保持回路やタイマー回路の組み立て、三相モーターのインバータ制御、さらにはベアリングや歯車、チェーンといった機械部品の調整方法まで、幅広い専門技術を身につけます。

現場で設備が急に止まってしまったとき、自分の技術を使って断線箇所を見つけ出し、設備を復旧させてダウンタイムを短くできたときには、配属先の企業や現場のスタッフから直接感謝の言葉をいただけることもあります。こうした経験の積み重ねが、現場から頼られる保全エンジニアへの成長につながります。
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未経験者が保全エンジニアとして着実に技術を身につける方法
雇用されながら研修を受けられる環境を選ぶという方法
金銭的な負担や将来への不安を抑えながら技術を身につける方法として、エー・オー・シー(以下、当社)の正社員として入社し、実機を使っての研修を経て技術を習得し、長く活躍できるキャリアを目指せる働き方を選ぶという方法があります。当社ではこれを「実務×スクール育成制度」と呼んでおり、給与を受け取りながら研修を通じて専門技術を学べる制度です。
当社は、未経験から技術者を育てる専用施設「AOCテクニカルセンター(ATC)」を石川、福井、富山、愛知の4拠点で運営しています。当社のATCでは1.5ヶ月にわたる長期研修を実施しており、この研修期間中も継続して給与が支払われる体制を整えています。

ATCの研修カリキュラムは、厚生労働省認定の「機械保全技能士(2級)」相当の取得要件を満たすベース技術に加え、実際の半導体現場で求められる応用技術を組み合わせた独自の3本柱で構成されています。
- 有接点シーケンス制御:電気の安全な取り扱いや回路図の書き方から始め、リレーの接点構造の理解、電源回路、自己保持回路、フリッカ回路などを実機で組み立てます。
- 真空装置の取り扱い:石川ATCなどでは、半導体を作る工程に欠かせないP-CVD装置、チラーユニット、ドライポンプなどの実機を使った専門研修を行います。
- 機械調整:ノギス、マイクロメーター、ダイヤルゲージといった測定器の使い方をしっかり身につけ、チェーン駆動部の分解・組み立てや調整などを実機を通じて練習します。
出典)(公社)日本プラントメンテナンス協会「機械保全技能検定」
当社では、未経験からでも段階を踏んで技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。研修内容や具体的なキャリア形成については、以下のページでご確認いただけます。
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製造オペレーターや接客業の経験も保全の現場で活かせる
全く違う業種・職種からの転職であっても、これまでの職歴は保全の現場で十分に活かせます。製造オペレーターなどの工場勤務経験がある場合、生産工程での5SやKYT、製品の品質管理といった現場特有の安全衛生の基準をすでに感覚として理解しています。
この経験をもとに、「製造オペレーターの経験を活かし、段階的に保全の技術を学ぶ」という進め方をとることで、製造現場の全体を把握できる保全エンジニアへの成長が見込めます。

また、営業職や接客業、販売職などで培ったコミュニケーション能力や交渉の経験も大きな強みになります。事後保全の現場では、機械が止まったときに、その機械を操作していた作業者から状況を正確に聞き取る力が欠かせません。日頃の何気ないやり取りで培ったコミュニケーション能力が、こうした場面で意外なほど役立ちます。
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事後保全の仕事に関するよくある質問
Q. まったく未経験の文系出身者でも事後保全の仕事は覚えられますか?
当社では、工学系の専門教育を受けていない未経験の文系出身者であっても、目的意識を持ち技術を身につけたいという意欲のある方を歓迎しています。
入社当初は、複雑な電気回路図面の見方や専門工具の正しい使い方に戸惑うこともありますが、ATCに完備された実機を使った実践的な研修環境を通じて、基礎から段階を追って繰り返し学ぶことで、保全エンジニアの仕事を身につけることができます。
Q. クロスオーバーエンジニアを目指して入社した場合、雇用は安定していますか?
さまざまな業界で活躍できる保全エンジニアを、当社では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。クロスオーバーエンジニアを目指して入社した場合、その時点から当社の正社員となります。そのため、一般的な登録型派遣のように契約期間の満了を心配する必要はありません。就業先が変わる場合でも当社との雇用関係は続くため、安心して長く技術を身につけていくことができます。
Q. 地方の現場で働く場合、住居などのサポートはありますか?
就業先のエリアや個別の案件によって条件は異なりますが、生活家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)付きの個室寮(1R・1K)を完備し、敷金・礼金不要で即日入居・就業にも対応(※友人・恋人の連れ込みは原則不可)している案件もあります。また、地方の製造拠点周辺へ赴任する場合、同じ収入でも首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、自由に使えるお金が多くなります。

