この記事では、小松市周辺でこうした仕事がどれくらい求められているのかという現状から、未経験の状態からでも挑戦できる設備保全技術を身につけるための具体的な方法までをわかりやすく解説します。
※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。
目次
小松市における制御設計や電気制御の技術を持つ人材の需要動向
石川県をはじめとする北陸地域は、昔からものづくりが盛んなエリアとして知られています。その中でも小松市周辺は、建設機械やそれに関連する部品、電子部品などを作る企業が多く集まっています。小松市が発表した計画では、ものづくりの力をさらに伸ばし、製品の出荷額などを7,000億円まで増やすという目標が立てられています。
一方で、地域の企業は「働き手不足」という課題を抱えています。ベテランの技術者が引退の時期を迎える中、技術を引き継ぐ人材が足りなくなることが懸念されています。石川労働局の発表では、2026年8月時点での石川県の有効求人倍率は1.39倍となっており、特に製造業などにおいて求人が多い状況です。
このように人手が足りない状況の中で、工場では機械を使って作業を自動化し、少ない人数でも生産を続けられるようにする工夫が進んでいます。そこで必要になるのが、機械や設備をコントロールする「制御設計」や「電気制御」の専門技術を持った人材です。国が実施する「技能検定」でも、機械の組み立てや制御に関する試験を受ける人は令和4年度で約87万人と多く、令和5年には「シーケンス制御」という作業が独立した職種になるなど、この技術の重要性は高まっています。
出典)こまつ創生戦略PART2|小松市
出典)最近の雇用失業情勢(令和8年6月分)|石川労働局
出典)第31回技能検定職種の統廃合等に関する検討会 – 厚生労働省
ここで注目したいのは、現場で求められている役割の広さです。新しい機械の仕組みをゼロから考える「設計」の仕事だけでなく、すでに工場で動いている機械の電気の仕組みをしっかりと理解して、毎日の点検や修理を行う人材がとても求められています。工場の自動化が進むほど、それらの設備を維持・管理する保全エンジニアの需要も高まります。
制御設計の基礎として身につけておきたい実践的な専門技術
工場の自動化された機械を扱うときには、パソコンのプログラミング言語とは違う、現場ならではの「共通スキル」があります。それが「有接点シーケンス制御」をはじめとする電気の基礎知識です。
有接点シーケンス制御とは、スイッチやタイマーなど、カチッと動く部品(接点)を組み合わせて、決まった順番通りに機械を動かす仕組みのことです。職業訓練などでも、まずはこうしたスイッチやセンサーといった部品の種類を知り、回路の仕組みを理解することが、実務の第一歩です。
機械の点検や修理をする保全の現場では、次のような専門技術が役立ちます。
電気の記号を正しく読み取り、機械がどういう順番で動くのか、その仕組みを理解する力です。
機械が止まってしまったときに、「テスター」と呼ばれる道具などを安全に使って、電線が切れていないか、どこに異常があるのかを見つけ出す力です。
さまざまな業界で活躍できるエンジニアを、当社では『クロスオーバーエンジニア』と呼んでいます。当社の研修においても、こうした電気の基礎知識と有接点シーケンス制御を学ぶことが、さまざまな機械を扱うための基礎となります。
小松市で未経験から制御関連の技術を習得するキャリアの道
専門の教育機関や独学を活用して基礎知識を段階的に習得する
小松市周辺にお住まいの方が、未経験から電気や制御の専門技術を身につける方法の一つとして、公的な職業訓練を利用するという方法があります。
石川県金沢市にある「ポリテクセンター石川」では、仕事を探している方向けに「電気制御システム科」などのコースが用意されています。ここでは、工場で使われている機械の制御や、配線の技術などを約6ヶ月間かけて順を追って学ぶことができます。
費用については、原則として受講料は無料で、テキスト代や作業服代などの実費が自己負担となります。雇用保険を受給できない方を対象とした国の『求職者支援制度』では、無料の職業訓練と就職支援が受けられます。さらに『本人収入が8万円以下』『世帯の金融資産が300万円以下』などの要件を満たせば、職業訓練受講給付金の支給も受けられます(給付金の対象外であっても訓練の受講は可能です)。
一方で、民間のプログラミングスクールや専門学校を利用する方法もあります。一般的なIT分野のスクールの場合、数ヶ月の学習期間で数十万円の費用がかかるケースがあります。また、民間のスクールはパソコン上のプログラム作成が中心となることが多く、工場にあるような実際の機械を使った訓練を行っているところは限られています。
出典)電気制御システム科のご案内|高齢・障害・求職者雇用支援機構
出典)ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)…|厚生労働省
実務×スクール育成制度を通じて収入を得ながら実践技術を学ぶ
学校に通ってじっくり学ぶ方法がある一方で、働きながら専門的な技術を身につけるという働き方もあります。これを当社では『実務×スクール育成制度』と呼んでいます。
当社が運営している研修施設「AOCテクニカルセンター(ATC)」では、当社に入社した方を対象に、現場へ出る前に保全エンジニアに特化した約1.5ヶ月という研修期間を設けています。マンツーマンの指導を通じて、段階的に専門技術を習得していくカリキュラムです。
この研修の特徴は、机に向かって勉強するだけでなく、実機(実際の機械)を使った訓練ができる点です。石川、福井、富山、愛知の4拠点にあるATCのうち、石川のATCでは、地域の主な産業である半導体づくりに欠かせない「真空装置」などの実機を準備しています。電気の配線や工具の正しい使い方から始め、クリーンルームへの入り方や特殊な部品の扱い方まで、実際の仕事に近い環境で手を動かして学ぶことが期待できます。
また、研修期間中も労働基準法に基づき給与が支払われるため、生活の負担を減らしながら新しい分野へ挑戦できる方法です。AOCの正社員としての採用となるため、雇用が安定した環境で将来にわたって活かせる技術を身につけることができます。
さらに、生活家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)付きの個室寮(1R・1K)を完備。敷金・礼金不要で即日入居・就業にも対応(※友人・恋人の連れ込みは原則不可)しております。首都圏と比べると生活費の支出が少ない分、自由に使えるお金が多くなります。
当社では、未経験からでも段階的に技術を身につけ、現場で活躍できるエンジニアの育成に取り組んでいます。当社の研修内容や具体的なキャリアの道については、以下のページにてご確認いただけます。
(職業訓練・スクール)
(AOCテクニカルセンター)
(収入は自己確保または給付金)
(座学やPC作業が中心の場合も)
小松市で制御設計や電気制御の仕事を目指す際のよくある質問
文系出身や未経験からでも制御に関する技術を習得することは可能ですか?
文系の学校を出た方や、ものづくりの経験がない方でも、段階的に専門技術を身につけ、現場で頼られる人材を目指せます。
当社のATCで研修を受ける方の多くは、未経験からスタートしています。当社では意欲のある方を歓迎しています。最初は「ドライバーの持ち方」や「電気の図面の見方」といった基本からゆっくりと学びます。
また、これまでの経験も強みになります。例えば、工場のオペレータ業務などをした経験があれば、現場の安全な動き方や培った感覚を活かせます。接客や営業の仕事で身につけた対人能力は、現場で他の人と協力して機械のトラブルを直す際に役立ちます。
制御設計と設備保全業務において必要な役割の違いは何ですか?
「制御設計」と「設備保全」は、どちらも自動で動く機械に関わる仕事ですが、担当する役割が異なります。
- 制御設計:機械をどうやって動かすかという設計図や、電気の通り道をゼロから作る仕事です。パソコンを使って回路の図面を書いたり、プログラムを作ったりすることが主な業務です。
- 設備保全:設計図をしっかりと理解した上で、実際に工場にある機械が安全に動き続けるように点検や修理をする仕事です。部品を交換したり、機械が止まった原因を探して直したりします。
設計がパソコン上のデータに向き合うことが多いのに対し、保全は実際の部品や配線に触れるという特徴があります。保全の仕事も高い専門性が必要な職種であり、工場の安全を守る重要な役割を担っています。
現場で役立つ実践的な専門技術を習得するまでの期間の目安は?
技術を身につけるまでの期間は、選ぶ環境や学習のペースによって異なりますが、安全に電気の配線をしたり、図面を読んだりできるようになるには、ある程度集中して学ぶ期間が必要です。
公的な職業訓練を利用する場合は、基礎から幅広く学ぶため、約6ヶ月の期間が設定されていることが多いです。
出典)電気制御システム科のご案内 – 高齢・障害・求職者雇用支援機構
一方で、当社ATCのような仕事に直結する内容に絞った研修では、約1.5ヶ月の設備保全に特化した研修を設けています。この期間にマンツーマンで指導を受けながら繰り返し練習することで、現場に出ても先輩の指示を理解し、安全に実機(実際の機械)を扱えるようになるための基礎を身につけられます。

