小松市の溶接求人事情とは?未経験から挑戦できる技術職の働き方と選び方

石川県小松市には、建設機械や自動車部品などを製造する企業が集まっており、金属をつなぐ溶接の技術者を求める求人が一定数あります。未経験からでも、法律で定められた講習を受けながら現場で技術を覚えたり、公共職業訓練校で基礎から学んだりすれば、溶接の仕事に挑戦できます。

この記事では、小松市で溶接の仕事を探している方に向けて、仕事の内容や必要な資格、未経験から技術を身につける具体的な方法をお伝えします。すでに溶接の経験がある方にとっても、資格の取得やキャリアの整理に役立つ内容です。

あわせて、溶接以外にも機械を扱う技術者として活躍する働き方についてもご紹介します。

※本記事に記載されている労働関係法令や各種制度に関する内容は、記事執筆時点での一般的な情報です。実際の労働条件や契約内容は、就業先の企業や派遣会社によって異なります。詳細は最新の募集要項をご確認ください。

石川県内の工場外観のイメージ

目次

小松市は建設機械の企業が集まり人材確保と技術継承が課題

建設機械や部品を製造する企業が集まり技術者が必要とされている

石川県小松市は、建設機械の大手メーカーである株式会社小松製作所(コマツ)が発祥した地域です。現在も同社の粟津工場をはじめ、建設機械や自動車部品などを製造する企業が集まっています。小松市のエンジニア求人事情もこうした製造業の広がりを背景にしています。

製造の現場では、部品や構造物を金属でつなぐ溶接の技術が欠かせません。設計図に合わせて金属を正確に接合する工程は、機械の強度や安全性を左右するため、小松市の機械設計エンジニア求人と同じように、溶接の技術者を確保することも製造業にとって重要な課題の一つになっています。

小松市の周辺には、建設機械の部品を加工する協力会社も多く、組み立てや検査などの工程とあわせて、溶接の技術が製品の品質を支えています。完成品を作るメーカーだけでなく、部品を加工する企業でも、溶接の技術者が必要とされる場面が多くあります。

製造業全体で人材の確保と技術を受け継ぐことが課題になっている

経済産業省・厚生労働省・文部科学省がまとめた「2026年版ものづくり白書」では、製造業における人材の確保と、現場の技術を次の世代に受け継ぐことが課題として取り上げられています。若手の入職者が減る一方でベテラン技術者が引退する時期を迎え、技術を受け継ぐ体制づくりが企業の課題になっている状況が示されています。

小松市のような製造業が集まる地域でも、溶接を含む技術者の確保と育成が今も課題です。技術を受け継ぐ担い手を早い段階から育てることが、地域の製造業を支える力につながります。

出典)「2026年版ものづくり白書」を取りまとめました|経済産業省 中小企業庁

溶接には手溶接や半自動溶接があり、資格で技術を深められる

熱で金属をつなぐ溶接には手溶接や半自動溶接などの方法がある

溶接とは、熱を利用して金属の部材をつなぐ作業のことです。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、溶接には熱で溶かしてつなぐ「融接」、圧力を加えてつなぐ「圧接」、ろうを使ってつなぐ「ろう接」の3種類があり、なかでも電気の力で金属を溶かす「アーク溶接」が広く使われています。

作業の方法には、溶接する人が手作業で溶接棒を動かす手溶接、機械の補助を受けながら手作業で行う半自動溶接、機械が自動で行う自動溶接があります。作業中は、火花や強い光、金属の粉じんなどから身を守るため、保護面や耐熱性の手袋、作業服といった保護具を身につけて行います。

溶接工の年収の目安は454.7万円、講習の受講が必要

job tagに掲載されている溶接工の給与の目安は、以下のとおりです(令和6年度のデータ)。

項目
目安
年収
454.7万円
月額求人賃金
25.4万円
時給(一般労働者)
2,037円

学歴や資格は入職の必須条件ではありませんが、アーク溶接やガス溶接を行う場合には、法律で定められた講習(アーク溶接等特別教育やガス溶接技能講習)を修了する必要があります。入職後、ほかの担当者と同じように一人で作業できるようになるまでには、平均して1年以上から2年ほどの期間がかかります。

出典)溶接工 – 職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)|厚生労働省

経験を積んだ人が資格でさらに技術を深める方法

すでに溶接の経験がある方は、技術の証明として資格の取得を目指す方法もあります。溶接技能者評価試験には、基本的な技術を確認する基本級と、より高度な技術を確認する専門級があります。取り扱う金属の種類や板の厚さ、溶接する姿勢などに応じて資格の区分が分かれており、資格を取得することで、対応できる作業の幅が広がります。

後述する公共職業訓練校でも、こうした資格の取得を支援する体制が整っています。資格を取得しておくと、転職の際に自分の技術を具体的に伝えやすくなり、求人を選ぶ際の目安にもなります。

未経験から溶接の技術を身につける2つの方法

求人に応募して働きながら現場で技術を身につける方法

未経験者を歓迎する求人に応募し、入社後に必要な講習を受けながら現場で技術を覚える方法です。安全教育や指導体制が整っている企業であれば、道具の使い方や金属の扱い方など基本的な作業から段階的に学べます。手に職をつけたい未経験者向けの仕事の選び方でも紹介しているように、企業を選ぶ際は研修体制を確認しておくと安心です。

現場での指導風景のイメージ

公共職業訓練校で資格取得の支援を受けながら基礎から学ぶ方法

公共職業訓練校で基礎から学ぶ方法もあります。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営するポリテクセンター石川(石川県金沢市)には「溶接技術科」があり、6ヶ月間・671時間の訓練で、金属加工の基本から半自動溶接、手溶接、ステンレスやアルミニウムを扱うTIG溶接まで学べます。

溶接の経験がない方でも受講でき、受講料は無料です(教科書代や作業服代など、約2.2万円は自己負担です)。修了時にはガス溶接技能講習修了証やアーク溶接特別教育修了証などの取得支援もあり、令和元年度の就職率は92.3%です。

雇用保険を受給できない場合に使える国の支援制度

雇用保険を受給できない状態で訓練を受ける場合は、国が用意している制度である「ハロートレーニング」も確認しておくとよいでしょう。

その中の一つで、雇用保険を受給できない方を対象とした国の「求職者支援制度」では、無料の職業訓練と就職支援が受けられます。さらに「本人収入が8万円以下」「世帯の金融資産が300万円以下」などの要件を満たせば、職業訓練受講給付金の支給も受けられます(給付金の対象外であっても訓練の受講は可能です)。

2つの方法を比べると、以下のようになります。

方法
費用
期間
学べる内容
企業に就職しながら学ぶ方法
求人による(給与を得ながら学べます)
企業により異なる
現場で必要な作業を中心に学ぶ
公共職業訓練校で学ぶ方法(ポリテクセンター石川)
無料(教材費など約2.2万円は自己負担)
6ヶ月間
金属加工の基本からTIG溶接まで

出典)溶接技術科のご案内|ポリテクセンター石川(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)

出典)求職者支援制度のご案内|厚生労働省

小松市で溶接の求人情報を探す2つの方法

ハローワークや求人サイトで探す

溶接の求人は、ハローワーク小松や、各種の求人サイトで探せます。未経験者向けの求人には、入社後の研修内容や資格取得の支援について記載されている場合が多いため、募集要項を確認しておくと安心です。経験がある方は、求人票に記載された溶接の方法(TIG溶接、半自動溶接など)が、これまでの経験と合っているかも確認しておくとよいでしょう。

人材派遣会社を通じて探す

人材派遣会社を通じて働く方法もあります。派遣会社によっては、研修制度が整った企業を紹介してくれる場合があります。応募前に、どのような技術を学べるか、どのような雇用形態になるかを確認しておくと、入社後のミスマッチを防げます。派遣会社の担当者に、これまでの経験や希望する条件を具体的に伝えておくと、条件に合った求人を紹介してもらいやすくなります。

技術系の仕事を選ぶときに確認したい2つの点

資格取得の支援体制が整っているか

資格取得を個人の負担だけに任せず、企業や訓練機関が費用や時間の面で支援してくれる環境であれば、基礎からの技術習得につながります。小松市でのエンジニア求人の選び方でも、こうした支援体制の確認が挙げられています。

工具を使った作業のイメージ
工具を使った作業のイメージ

未経験者向けの研修期間や指導体制があるか

研修の期間や、専任の担当者から指導を受けられる体制が整っているかも、企業選びで重要なポイントの一つです。座学だけでなく、作業を通じて技術を覚えられる環境であれば、未経験からでも段階的に成長できます。

企業を選ぶときは、次のような点を確認しておくと安心です。

  • 資格取得にかかる費用を企業が支援してくれるか
  • 研修期間中も給与が支払われるか
  • 経験豊富な講師から指導を受けられる体制があるか

溶接以外にも機械を扱う技術者という働き方があります

ここまで紹介した溶接は、金属をつなぐ専門的な技術です。一方で、工場の機械や設備そのものを点検・修理する仕事に興味がある方には、エー・オー・シー(以下、当社)が提示する選択肢として、保全エンジニアという働き方もあります。さまざまな業界で活躍できる保全エンジニアを、当社では「クロスオーバーエンジニア」と呼んでいます。

当社の正社員として入社後、実機(実際の機械)を使った研修を経て技術を習得し、エンジニアとして長く活躍できるキャリアを目指せます。この育成の仕組みを当社では「実務×スクール育成制度」と呼んでいます。研修施設「AOCテクニカルセンター(ATC)」を石川、福井、富山、愛知の4拠点に設置しており、1.5ヶ月の研修期間中も給与を受け取りながら、電気の基礎や機械の調整、真空装置の扱い方などを学べます。研修中は、経験豊富な講師から直接指導を受けられるため、未経験からでも段階的に技術を身につけられます。この研修で身につけられる技術は、電気設計・保全エンジニアの仕事でも紹介しています。

研修の内容は溶接の技術を教えるものではなく、機械全体を点検・修理する保全の技術を身につけるためのものです。機械保全は資格なしでもできるのかという点については、機械保全の仕事は資格がなくても始められます。当社でも資格のない状態から研修を受けて現場へ進む方が多く、修了後は機械保全技能士2級レベルの技術を目指せる環境を用意しています。

溶接の技術を専門的に深めたい方には、前述の公共職業訓練校などが適した方法です。一方で、機械を扱う仕事に興味があり、給与を受け取りながら別の技術を身につけたい方には、こうした働き方も一つの方法です。

AOCテクニカルセンター外観

小松市の溶接・技術系の仕事に関するよくある質問

未経験でも溶接の仕事に就けますか?

未経験でも溶接の仕事に就くことができます。学歴や資格は入職の必須条件ではなく、入社後に法律で定められた講習を受けながら技術を身につけている方が多くいます。

溶接の資格取得にはお金がかかりますか?

民間のスクールに通う場合は費用がかかりますが、公共職業訓練校であれば受講料は無料です(教材費など数万円程度は自己負担です)。雇用保険を受給できない方は、前述の求職者支援制度を使うことで、生活費の支援を受けながら訓練を受けられる場合があります。

溶接の経験を活かして別の機械系の仕事へキャリアチェンジすることは可能ですか?

はい、可能です。溶接の経験を活かし、機械全体の点検・修理を担う保全エンジニアという働き方に進む道もあります。当社では実務×スクール育成制度を通じて、正社員として給与を受け取りながら技術を学べる環境を用意しています。

小松市の溶接の仕事は正社員として働けますか?

企業によって雇用形態は異なりますが、正社員として働ける求人もあります。募集要項で雇用形態や待遇を事前に確認しておくと安心です。

資格を取得すると給与は上がりますか?

資格の有無だけで給与が決まるわけではありませんが、対応できる作業の幅が広がることで、評価や待遇に反映される場合があります。求人ごとに条件が異なるため、募集要項での確認をおすすめします。

小松市以外でも同じように溶接の仕事はありますか?

はい。溶接の技術者は、石川県内の他の地域や、近隣の北陸エリア、東海エリアなど、製造業が集まる地域で広く必要とされています。転居を伴う転職を考えている場合は、対応エリアの広い企業を選ぶと、働き方の道が広がります。

溶接の仕事は体力的にきついですか?

屋内での作業が中心ですが、立ち仕事や金属を持ち運ぶ場面もあります。企業によっては、作業を補助する器具を導入している場合もあるため、見学や面接の際に作業環境を確認しておくと安心です。